AI要約とは?
使用するメリットやツール別のできることを紹介

 2024.09.24  コンタクトセンターの森 編集部

「議事録を要約するのに時間がかかる」「長文の資料をわかりやすく要約したい」といった悩みを解決してくれるのがAI要約です。AI要約を使えば、重要な情報をすばやく把握でき、業務効率の向上が期待できます。本記事ではAI要約の概要や利用するメリット、おすすめの生成AIの活用例などを紹介します。ぜひ参考にしてください。

AI要約とは? 使用するメリットやツール別のできることを紹介

生成AIがもたらす革新と可能性

AI要約とは?

AI要約とは、AIの自然言語処理技術を用いた、文章や動画などのコンテンツの要約機能を意味します。自然言語処理技術とは、AIが人間の言葉を理解するための技術です。AI要約を用いればAIが各コンテンツの要点を洗い出しまとめてくれるため、人間は直接コンテンツの内容を確認しなくても済みます。

AI要約の手法は大きく分けて2つあります。元の文章から重要な部分を抜き出す抽出型要約と、内容を理解した上で新しく要約文を生成する抽象型要約です。それぞれ、目的に応じてAIに適切な指示を出すことで使い分けられます。

ChatGPTをコールセンター業務で活用するためのサンプルプロンプト集
はじめてのPBX!まるわかりガイド

AI要約を使用するメリット

要約そのものは人間にも可能な作業ですが、あえてAIを用いることには次のメリットがあります。

情報収集の効率化につながる

AI要約により、膨大な情報のすべてを自分自身で確認する必要がなくなるため、効率的に情報を集められるのがメリットです。

例えば論文から特定の情報を得ようとしたとき、文章が長く、必要な情報がどこにあるのかすぐに探し出すのが難しいケースもあります。そのような場合でも、AIに論文を読み込ませて要約するよう指示するだけで、論文全体の要約文を生成できます。もちろん、これは論文だけでなく、ニュースやインタビュー、ブログ記事などあらゆるものに応用可能です。

仮に読むのに10分かかる内容でも、すべてコピー&ペーストして長文要約AIのプロンプトの入力ボックスに流し込めば、数秒で生成が完了します。

要点を伝えやすくなる

資料やレポートなどを作成した際、自分の資料をAIに要約してもらえば的確に要点を絞れます。文章を書くのが苦手な人は、伝えたいことを上手く伝えられなかったり、冗長で読者に飽きられてしまったりすることがありますが、AI要約をもとに要点を確認すればわかりやすい内容にブラッシュアップできるでしょう。

要約を行えるAI:おすすめのツールと使い方

ここでは世界的に知名度のある生成AIの中から、使いやすいAI要約ツールをピックアップしました。

ChatGPT:長文などの要約

生成AIの火付け役ともなった、OpenAI社のChatGPTは長い文章の要約も可能です。次の手順で実行します。

  1. あらかじめ「次の文章を要約して」などの命令文を入力する
  2. メールやWeb記事など要約したい文章全文をコピー
  3. テキストボックスにペーストし送信

簡単な手順を踏むだけで、AIが要約文を生成してくれます。
なお、長文をコピー&ペーストするのが難しい場合、該当の情報があるリンクを読み込ませる方法もあります。しかし、現時点では有料版のみの対応のため注意が必要です。

Copilot:EdgeブラウザでPDFを要約

「Copilot」はMicrosoftが提供するAIで、WordやExcel、PowerPointなどのMicrosoft製品と連携し、アシスタントとして機能します。

例えばMicrosoft Windowsの提供するブラウザである「Edge」で開いたPDFファイルも、手軽に要約ができます。手順としては、ファイルを開いた際に「Copilot」ボタン(もしくはWinキー+C)を押してCopilotを起動し、「ドキュメントの概要を生成する」を選ぶか、要約プロンプトを入力するだけです。

なお、利用するには前提としてCopilotを導入している必要があります。導入していない場合はMicrosoftのアカウントにサインインし、Microsoftや、各デバイスに対応したアプリストアでCopilotをダウンロード・インストールして、OSも最新版に更新しておきましょう。

Search Labs:検索結果の概要を要約

Search LabsはGoogleが提供する、開発初期段階の各種検索ツールを利用できるプラットフォームです。Search Labsユーザーは、Google検索の際に検索結果の概要を要約して示してくれる「AI Overviews」を利用できます。

Search LabsやAI Overviewsは、Googleアカウントを持つ18歳以上のユーザーであれば誰でも登録可能です。

アクセスするにはChromeブラウザやアプリを開いた際、画面右上に表示される、Labsアイコンと呼ばれる三角フラスコの形をしたアイコンをクリックします。画面の指示に従い、AI Overviewsへの登録を済ませましょう。

Gemini:動画内容の要約

GeminiはGoogleの提供する生成AIです。無料版でも動画の要約に対応しています。YouTubeなどの動画URLを取得し、要約するためのプロンプトとともにGeminiに読み込ませると、動画内容を要約してくれます。

ただし、要約は動画の字幕や概要欄などの情報をもとに行います。字幕や概要欄のない動画は要約できないため、必要に応じて情報を手動で入力する必要がある点に注意が必要です。

サンプルとして、ベルシステム24が公式YouTubeチャンネルで公開している動画を用意したので、ぜひ要約して内容を把握してみてください。

ベルシステム24 公式YouTubeチャンネル動画「ベルシステム24 多言語コールセンターサービス紹介動画」

AIで要約を行う方法とポイント

AIで要約をする際、人によって求めていたものとは異なる結果が出力されるケースもあります。AI要約を使いこなすためにも、次のポイントを把握しておきましょう。

プロンプトを入力して要約の指示を行う

要約したい文章や動画URLなどをAIに読み込ませる際、同時にプロンプトも入力しましょう。

プロンプトとは、ユーザーが入力するAIへの指示や質問のことです。「要約してください」「次の文章を要約して」など簡単な言葉で要約するよう指示ができます。プロンプトがないとAIは何をすべきなのかわからず、意図しない結果に終わってしまうでしょう。

条件がある場合は明確に指示をする

要約文の出力形式に具体的な条件がある場合は、あらかじめプロンプトを用いて指定しておきましょう。

「300字程度でまとめてください」
「小学生でもわかる簡単な言葉で要約してください」
「会話形式で要約してください」

などさまざまな指定が可能で、条件を細かく指定するほど理想の要約に近づいていきます。ただし、複雑すぎる指示だとかえって要約の品質が悪化する懸念もあるため、指示の内容は明確にする必要があります。

出力が十分でない場合は改善の指示をする

AIで要約した際、最初から100点満点の要約文が出力されるとは限りません。要約文のどの部分に問題があったのかを確認し、AIに直接指摘をすることで出力結果が改善されていきます。改善を繰り返し、理想的な結果が得られるまで試行錯誤が必要です。

AI要約の活用例:通話内容・問い合わせの要約

AI要約が具体的にどのような場面で役立つのか、活用例としてコンタクトセンターでのケースをご紹介します。コンタクトセンターでは、顧客対応の品質向上のため、通話内容や顧客対応履歴を保存しています。その際、顧客対応履歴は顧客からの問い合わせ内容をテキスト化した上で要約し、システムに保存するのが一般的です。

しかし、要約は対応したオペレーター自身が行うため、オペレーターによって要約の品質に差が出てしまいます。そのようなとき、音声認識システムとAI要約を導入すれば、通話内容のテキスト化を自動ででき、要約についても一定の品質を期待できます。

音声認識やテキスト化に役立つ「音声マイニング」について、次の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

まとめ

AI要約とは、生成AIを使用して文章や動画などのコンテンツ内容を要約することです。AI要約を活用すれば人力よりもはるかに効率的に情報収集や共有ができ、要点も明確になります。加えて、要約品質をそろえることも可能です。生成AIにはいくつかの種類があり、利用シーンも異なるため、好みの生成AIを選びましょう。

また、生成AIの結果は常に完璧とは言えず、プロンプト入力の際は条件付けを明確にする、出力結果をもとに改善していくといった工夫が欠かせません。AIに正しく要望を伝える術を把握し、AI要約によって業務の効率化を目指しましょう。

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