チャットとは?導入メリットやメールとの機能比較について解説

 2022.05.16  2024.04.23

コロナ禍でテレワークが普及したことにより、ビジネスにおいてもチャットでコミュニケーションを取る機会が増えてきました。本記事では、チャットの概要から、「チャットの導入メリット・デメリット」「メールとの機能比較」などについてまで、わかりやすく解説します。

ビジネスツールとしてチャット導入を考えている担当者の方、経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

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複数人数でのやり取りが可能なチャット

インターネットを介して、複数の利用者がリアルタイムにメッセージを送受信するためのアプリケーションを「チャット(chat:おしゃべりという意味)」といいます。チャットの歴史は古く、日本におけるインターネット初期段階の1990年代から利用されてきました。

今日の世界では、チャット機能を搭載したSNSは数多くみられます。日本でも多くの人が利用しているLINE(ライン)もその一つです。

特に近年は、テレワークなどの普及によって、ビジネス用途でのアプリケーションも数多く登場する中、チャットの活用方法もさまざまに変化してきました。結果、今やチャットはビジネスツールの一つとして確たる地位を築いており、なおもビジネスユーザーが増加しています。

ChatGPTをコールセンター業務で活用するためのサンプルプロンプト集
チャットボット製品市場調査

チャットの仕組み

チャット使用者は、携帯端末やパソコンで専用のツールを使用することで、文字入力によるリアルタイムなコミュニケーションを行います。この専用のツールを、インスタントメッセンジャーと呼ぶこともあります。

もっとも基本的な仕組みとしては次のようになっています。

まず、チャット参加者はチャットサーバーに接続します。このサーバーに接続された状態で、一人の参加者がメッセージを入力します。すると、そのサーバーに接続しているほかの参加者の画面に、リアルタイムにそのメッセージが表示される、という仕組みです。

実際には、こうしたメッセージ送受信の仕組みは、使用するアプリケーションによってもさまざまです。ただ多くの場合、「送信されたメッセージをチャットサーバーが受信し、その後複数のサーバーにて処理されて、ほかの参加者が受信する」ことで成り立ちます。

なお、最近では相手側がオフライン状態でも、メッセージ送信が可能なアプリケーションも増えてきています。相手側がオンラインになると同時に、メッセージが表示されるようになります。

チャットとメールの比較

ここではチャットの持つ、メールと明確に異なる特徴を整理してみましょう。

チャットは、リアルタイムで複数人でのコミュニケーションを行えることが、基本的な特徴です。送信側も受信側も同じアプリケーションを使ってやり取りしているので、文字化けのようなトラブルもなく確実にメッセージが送受信されます。迷惑メールやスパムメールのような問題も、一般的には起こりません。

また慣例として、チャットでのコミュニケーションでは、ビジネスメール特有のあいさつ文なども不要なことが多いです。このため、要件を端的に伝えられ、緊急性の高い情報を即時に伝達できるというメリットを持ちます。この点も、メールとの明らかな差異と言えるでしょう。
なお、一般に、メールと同様に添付ファイルの送受信も可能です。

一方、メールにもメリットはあります。「長い文章でのやり取りに長けていること」「受信側は時間に追われることなく読み、任意のタイミングで返信できること」などです。即時性を求められるチャットと、丁寧な文章で一定の時間をかけてやり取りしあうメールとでは、使用方法・使用目的が異なることを覚えておきましょう。

チャットの種類

複数人でリアルタイムにコミュニケーションが取れることを、チャットの特徴と説明しました。加えてチャットのやり取りは、文字だけにとどまりません。ここからはチャットで用いられるコミュニケーション方法の種類について解説します。

テキストチャット

まずは文字によるコミュニケーションについてまとめておきましょう。これは、テキストチャットと呼ばれ、多くの場合で「チャット」と言えばこの方式を指しています。
テキストチャットでは文字を用いてコミュニケーションを取ります。「複数のユーザーで、リアルタイムに会話を行う」という状況になることが多く、やり取りにはスピード感が求められる傾向にあります。

テキストチャットは「メッセージをリアルタイムで送信する」という点において、ショートメールと似た機能であると言えるでしょう。しかしショートメールとの大きな違いは、チャットには送受信料がかからないことです。ショートメールは文字数に応じて送受信料がかかるのに対して、テキストチャットは送受信料が無料(通信料は有料)です。

ボイスチャット

ボイスチャットは、「2人以上のユーザーで、音声によって会話を行う」方式です。インターネットを介した電話のようなイメージです。LINEやZoom(ズーム)に搭載されている無料音声通話機能も、ボイスチャットの一種と言えるでしょう。ボイスチャットをビジネス利用する場合は、ヘッドセットを用いることが推奨されますが、パソコンに内蔵されたマイクなどでも利用自体は可能です。

ボイスチャットは電話の代替として使用されるだけではありません。アプリケーションの画面共有機能を併用しながら、パソコンの操作方法や資料の説明などに活用されるケースも増えています。
また、最近ではテキストチャットとボイスチャットとを、同じ画面で同時に利用できるサービスもあります。

ビデオチャット

ビデオチャットは、Webカメラなどを用いて「お互いを映す映像を見ながら会話を行うための機能」です。上記のボイスチャットに加えて、お互いの顔を映す映像が加わったものとも言えるでしょう。
携帯端末やパソコン、そしてインターネット環境があれば、ビデオチャットを行えます。スマートフォンの普及やインフラの整備により、ビデオチャットによるオンライン会議を開催する企業も増えてきています。

ビデオチャットは、テレビ電話のように「相手の顔を見ながら会話すること」自体を目的とすることもあれば、Web会議のように「参加者の在籍を確認する」という目的で利用されることもあります。また、ボイスチャットと同様にビデオチャットでも、スマートフォンやパソコンで画面を共有しながら、コミュニケーションを行うことも可能です。例えば「特定の資料を画面共有しながら、Web会議を進める」などの利用方法が代表的です。

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チャットのメリット

先述したようにチャットにはいくつかの種類がありますが、根本的に共通するメリットが存在します。それらを押さえ、ビジネスへのチャット導入を成功させてください。

コミュニケーションを簡単に取れる

メールとの差異として先述しましたが、チャットは基本的に、「簡単かつ迅速なコミュニケーションを行う場合」に効果を発揮します。インターネット環境があれば、いつでもどこでもリアルタイムなコミュニケーションを実行できるので、例えば「外回り中の営業担当とすぐに連絡を取りたい」などのシチュエーションで、大いに役立ちます。

もちろん緊急性のない要件でも、例えば「メールを送るまでではない些細な確認事項」などの共有手段として、誰もが気負いなく利用していけるでしょう。結果として、社内でのコミュニケーション活性化にもつながります。従業員たちの間でテキストチャットの利用が習慣化すれば、映像・音声を用いたチャットも、積極的に利用してくれるようになると期待できます。

迅速に情報共有ができる

チャット用アプリケーションとして、画像資料・動画などのファイルまで送受信可能なものが多くリリースされてきています。これらファイルは社内のみならず、社外との共有も可能です。したがって、より詳細な情報を社内・社外メンバー間で共有できる環境を、スムーズに確立していけるでしょう。

また、メッセージ機能だけでなく、「ToDoリスト」や「カレンダーとの連携」など、ビジネスに役立つ機能を搭載したアプリケーションも数多くリリースされてきています。ビジネス用のチャットアプリケーションは、メッセージ機能を軸としつつも、より幅広いコミュニケーションツールへと進化してきていると言えるでしょう。

同時に複数人数とコミュニケーションが取れる

チャットの最大のメリットと言ってよいものは「リアルタイムで複数名とコミュニケーションができること」です。少数のメンバーでその時必要な情報を出し合いながら、具体的なプランを固めるような状況ではもちろん、大人数の会議などもツールによってはスムーズかつ低コストで開催できます。

加えてテキストチャットなら、交わされたやり取りは文字情報として記録されているため、口頭でのコミュニケーションで起こりがちな「言った・言わない」のトラブルを避けられます。
また従業員たちは各自、特定の過去の情報を、コミュニケーション履歴を閲覧して入手可能になります。「過去受けた説明を忘れてしまい、何度も説明を仰ぐ」といった従業員も発生しづらくなるでしょう。

チャット利用時の注意点

チャットは先述してきたように利便性が非常に高いですが、使用上の注意点もあります。

まずチャットへの参加人数が多くなればなるほど、必然的にメッセージのやり取りも多くなり、参加者たちは大事な情報を見失いがちになります。多人数のときは進行役を決め、議論のポイントなどを適宜振り返るようにできるとよいでしょう。

また、「気軽にコミュニケーションが取れる」というメリットからつい雑談が増えてしまい、余計なメッセージが多くなってしまう傾向も見られます。

そのほか、自社に必要のない機能を持つ高機能なツールを導入しても、費用がかさむばかりで役に立ちづらい場合もあります。また、操作性のわるいツールの場合は、利用者への教育時間が必要になることもあるでしょう。

これらの注意点を踏まえつつ、自社の状況や使用目的にフィットするチャットアプリケーションを選定していってください。

まとめ

企業は消費者やユーザーとコミュニケーションを取る際、さまざまなツールを積極的に利用するようになってきています。お客様窓口やコールセンターでは、従来の電話対応だけでなく、徹底的な効率化と現代社会に即した対応をするために変化してきています。チャットやメッセージアプリなど複数のチャネルをリンクさせ、総合的に対応することで「コンタクトセンター」と呼ばれるほど在り方が変化してきました。
自社のコンタクトセンターでチャットを導入する場合、チャットがどのような役割を果たしてくれるのかを把握し、お客様と企業をつなぐコミュニケーションツールとして、メリットを十分に生かしながら活用しましょう。

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