稼働率(Utilization)

 2021.02.14  コンタクトセンターの森 編集部

稼働率(Utilization)とは、給与時間における顧客対応時間の割合です。センター内の各コミュニケーターが適切に管理されているかを把握する指標となります。稼働率に含まれる時間を「生産時間」、含まれない時間を「非生産時間」と呼びます。

生産性を表すバロメーター

稼働率が高ければ高いほど、コミュニケーターはそれぞれの給与時間の多くを顧客対応に割いているということになります。対応件数には他の要素も絡んできますが、稼働率を高くすることは、多くの顧客対応を目指すことと同義です。この指標は、コールセンターの生産性を表しているひとつのバロメーターとして考えることができます。

基本的には稼働率を適切に保ちつつ、状況に応じて向上させていくことが望ましいといえます。また、稼働率を管理しコールセンターの生産性を保つのは管理者側の役目です。

サービスレベルの低下などから生産性の低下が発覚した場合は、
AHT(平均処理時間)や
WFMなどの確認とともに、稼働率についても適切に保たれているか速やかにチェックする必要があります。

生産時間と非生産時間を適切にマネジメントする必要性

稼働率は高ければ高いほどいいわけではありません。非生産時間には研修、ミーティング、フィードバックの時間なども含まれており、コミュニケーターへの教育やセンター全体に周知を行うためには、非生産時間も確保しなければなりません。生産時間と非生産時間の目標値は、運営の状況によって一律に決めることができない問題です。入電数の増加予想や新サービスの展開を控え、コミュニケーターの教育に時間を割くことが無駄とはいえません。また、非生産時間を一日の中のどこに設けるかも、総合的な生産性を維持する上では大切になってきます。入電数が午前中に多いセンターであれば、非生産時間を午後中心に設けるといった工夫が必要です。また、いたずらに目標稼働率を上げすぎてしまうと、コミュニケーターのモチベーションや教育が追いつかず、応対品質の低下や顧客満足度の低下に繋がるという事態も考えられます。目標設定の段階で、コールセンターが円滑に運営できる稼働率を検討することが重要となってきます。

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