平均処理時間(ACW/After Call Work)とは、顧客との通話が終わった後に行う応対記録入力、VOC記録、顧客からの依頼内容に応じた手続き処理にかかる時間の平均値です。平均通話時間(ATT/Average Talk Time)とともに平均処理時間(AHT/ Average Handling Time)を構成する要素のひとつです。
入力内容の精査、システム連携が短縮のキーポイント
コールセンターのコストダウン、生産性向上のためにはAHTの短縮が重要です。ATTに比べ比較的短い時間ですむACWでも、短縮することであらわれるコスト、生産性への影響は少なくありません。ATT、ACWを縮めるための取り組みはさまざまですが、入電した顧客によって左右される部分の大きいATTとは違い、ACWはコールセンターが主体的に短縮しやすい要素です。
ACWが長引く要因として、入力内容が煩雑、他部署への連携が必要、入力項目が複数あるなどが挙げられます。ACWを短縮させる例として、不必要な入力欄を削除することや、
CTIの導入による音声認識で応対履歴を残し、コミュニケーターの負担を減らすなどが挙げられます。
コミュニケーターの入力速度とヒューマンエラー
ACWの短縮のためにコミュニケーターの入力速度を上げるトレーニングを行うという考え方がありますが、これにはリスクが伴います。入力速度自体は、目標設定等で向上が可能です。むしろ、ATTより、コミュニケーターの努力が成果としてあらわれてくる部分です。しかし、コミュニケーターを急がせると、同時にヒューマンエラーが起こりやすくなります。結果的に、入力速度と比例して入力ミスによる不備率も高くなる危険性があります。
入力ミスからクレームに発展し、顧客満足度(CS/Customer Satisfaction)の低下につながってしまるケースも少なくありません。入力ミスによるトラブルの事例は常にセンター内で周知し、再発防止に努めることが重要です。
また、ACWは業務用端末の違いや、コールリーズン(どのような理由で電話がかかってきたのか、どのような内容か)によっても左右されます。ACWの数値をもとにコミュニケーターを評価するときは、こうした数値以外の要素も考慮する必要があります。
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