コンタクトセンターにおけるメンタルケアの重要性と対策ポイント

 2021.03.23  2024.09.01

コンタクトセンターは消費者相談やクレーム対応も行う重要な部署ですが、離職率の高さが長年の課題となっています。本記事では、コンタクトセンターにおける離職の主な原因である「働く人のストレス」に注目し、コンタクトセンターで働く人の精神的負担を軽減するメンタルケアの方法について紹介します。

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コンタクトセンターの離職率

求人誌を開けば必ずと言っていいほど見かけるのが、コンタクトセンター(コールセンター)のオペレーターの募集です。しかし、その求人募集の多さは、一方で人材難の深刻さを物語ってもいます。

業界誌を刊行している「コールセンタージャパン」による調査によれば、新人スタッフの1年以内の離職率を10%以下に抑えている企業は、25.6%に留まっています。多くの企業では離職率が30%を越えており、しかも、全体の5分の1を上回る22%もの企業が、離職率が70%を超えていると回答しているのです。

つまり多くのコンタクトセンターにおいて、新人スタッフの3人に1人が1年以内に離職してしまっているということです。また、10人中7人以上が1年以内に離職してしまう恐れまであると、示されています。

引用元:https://callcenter-japan.com/magazine/3838.html

離職による企業への影響

「大量雇用・早期離職」の常態化は、企業全体の生産性低下にもつながる問題です。短期間での採用・離職の連続は、新規採用や人材教育へのコスト増大を招き、その負担増によって関連業務の質を低下させてしまいます。

採用や研修の質が落ちれば、現場の負担は増大。そしてそれが今度はまた、離職率を高める要因となり、人材不足が続いていくという、負のスパイラルが発生してしまいます。

また、コンタクトセンターの業務では、顧客との直接対応が主要です。そのため、人材の熟練度が低ければ、顧客には「低品質なサービス」として強い印象を持たれてしまいます。

つまりコンタクトセンターの高い離職率は、企業全体の競争力低下にもつながりかねない、重大なリスクをはらんでいるのです。

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コンタクトセンターの離職率が高い理由

コンタクトセンターにおける離職率の高さは、上記のように深刻です。しかし、これほど多くのオペレーターが早期離職してしまう理由とは、一般的にどんなものなのでしょうか。3つのポイントに分けて解説します。

理不尽なクレーム処理

コンタクトセンターの離職率が高い理由の1つに挙げられるのが、「理不尽なクレーム処理」による精神的負担です。

これはとりわけ、顧客からの相談やクレーム対応を受けるインバウンド系のコンタクトセンターで多発する問題ですが、アウトバウンド系であっても決して無縁ではありません。
たとえ電話越しであったとしても、他者から罵詈雑言を浴びせられたり、ぞんざいに扱われたりすることは大きな精神的負担になり、離職へつながってしまうのです。

高い目標設定

電話で営業をかけたり顧客情報を集めたりするアウトバウンド系コンタクトセンターの退職原因の1つに挙げられるのが、目標(ノルマ)による精神的な負担です。

電話業務で営業実績を積み上げることにやりがいを感じる人が多い反面、プレッシャーも大きく、達成できなかったときには自信を失いがちです。

先述のように、電話先で理不尽な扱いを受けることもある中で、「目標達成のためには、自分から電話をかけなければならない」というストレスは大きなものでしょう。

覚えることが多い

また、覚えることが多いという点も、よく挙げられます。

コンタクトセンターの仕事は、電話対応のマナーはもちろん、商品やサービスへの理解も必要で常に勉強し続けなければなりません。特にインバウンド系の場合は、顧客からのさまざまな問い合わせに迅速に対応するために、求められる知識も多くなります。

また、電話対応での記録を残すにはPCの操作が必要になることも多く、「電話応対だけかと思ったのに、予想していたよりも業務が多かった」と、負担を感じる方も多いようです。

オペレーターへのメンタルケア対策の具体例

上記のように、コンタクトセンターのオペレーターの精神的負担は大きなものです。しかし、離職率を低く抑えるためには、有効な対策を打たねばなりません。ここからは、オペレーターのメンタルケアに有効な具体的対策について解説します。

1on1の精神ケア

離職原因の根幹にストレスがある以上、もっとも重要なのは、その精神的負担を減らすように心のケアを行うことです。

そのためには報酬面をはじめとした、評価改善を行うことも有効ではあります。ただほかにも、例えば1on1でオペレーターから相談や不満を受ける機会を設けるなどして、「ストレスを吐き出せる場所を用意してあげること」もひとつの手です。

とはいえ、一部の従業員にとっては上司と1対1で話すこと自体がストレスになりかねません。1on1を効果的に行うには、管理者である上司が日頃からオペレーターひとりひとりの様子を気遣い、信頼できる人間関係を作っておくことが非常に重要です。

充実したサポート体制の構築

そもそもオペレーターがストレスを溜めにくいサポート体制を構築しておくことも、非常に重要です。

具体的にはまず、設定目標の再検討が挙げられます。オペレーターに過度な要求をしていないかを、企業側が自主的に見直します。

加えて企業側は、個々のオペレーターが覚えなくてはいけない事柄を、可能な限り少なくするべきでしょう。同時に、企業のサイトにQ&Aを用意したり、問い合わせ方法としてメールやチャットなども導入したりすることで、コール数を減らす取り組みをすることも効果的です。
こうした問い合わせ方法の多様化・合理化は、オペレーターの負担を減らすだけでなく、顧客にとっても利益となりますので、非常におすすめです。

システムによる業務効率化

上記のサポート体制づくりと関連して、コンタクトセンターの業務に役立つシステムを導入することも有効です。業務全体をシステムによって効率化すれば、オペレーターの精神的負担軽減になることはもちろん、顧客満足度向上にもつながります。

例えば、「各顧客の購買履歴を簡単に呼び出す機能」や「オペレーター間で解決事例の情報を共有する機能」を持つシステムを、導入するとよいでしょう。一人ひとりの顧客に対して、複数人のオペレーターが関わりながらも、より適切・スムーズに対応できるようになるでしょう。また、コールの事後処理に有用なシステムなら、オペレーターの負担軽減にも役立つでしょう。

現在では、クラウドで利用できるコールセンター向けシステムも多数登場しています。中には、AIを搭載した支援システムまで存在します。こうしたシステムを導入しながら、オペレーターを在宅勤務に切り替えることも、非常に有効です。多様な働き方を実現し、オペレーター業務への満足度を高めれば、優秀な人材も募集しやすくなるでしょう。

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「BellCloud+®」でオペレーター業務の改善を

上記のように、優れたシステムの導入はオペレーターの負担を軽減し、離職率の抑制に寄与します。そこでおすすめしたいのが、最新のクラウド型次世代コールセンター基盤システム、「BellCloud+®」です。

このBellCloud+®は30年以上にもおよぶコールセンター業界のノウハウを集結した高い信頼性を持つシステムです。BellCloud+®音声認識や感情解析、在宅ワークを含めたリモート向け環境など、コンタクトセンター業務に必要なさまざまな機能を搭載しています。

中でも特筆すべきは「心拍変動解析(HRV)」を測定し、オペレーターのコンディションを可視化することです。これによって、たとえリモート環境下であっても上司はオペレーターの不調を察知し、状況に即したメンタルケアが可能になります。

業務のクラウド化とオペレーターへの密なサポートを両立する、BellCloud+®。コンタクトセンターの置かれている難しい現状へのソリューションとして、期待できるでしょう。

まとめ

本記事では、コンタクトセンターにおけるメンタルケアの重要性と対策ポイントについて解説しました。オペレーターの離職率を抑えるには、その原因であるストレスの軽減が必須です。そのためには、上司による普段からのメンタルケアと「BellCloud+®」のような最新のシステムの導入を含む、サポート体制の強化が重要です。

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久保 睦
久保 睦
2001年に入社後、通信、金融、通販、メーカー、サービス業のコンタクトセンターを中心に50社以上のコンサルティング、立上げ支援、ソリューション導入企画・設計・構築、アドバイザーを担当。現在は、企業の付加価値向上、CX向上、DX実現に向けたコンタクトセンター活用のプランニングなどビジネスコンサルティングを中心にプロジェクト管理、統括責任者として多数の実績あり。
Salesforce 認定アドミニストレーター
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