コールセンターのトークスクリプト作成ポイントと構成、例文を紹介

 2023.03.20  2024.04.23

多くのコールセンターでは、従業員の対応を均一化するために想定マニュアルを用意しています。これは「トークスクリプト」と呼びます。トークスクリプトの作成は、オペレーターの品質を向上するために必須となるものです。本記事では、トークスクリプトの重要性をはじめ、作成のポイントや例文、ポイントを紹介します。

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コールセンターのトークスクリプトの重要性

コールセンターの品質を高い水準で保つには、「トークスクリプト(想定マニュアル・台本)」を用意しておくことが重要です。特にコールセンターの品質にばらつきがある場合は、トークスクリプトの作成や見直しをしなければいけません。
基準が何もない現場では、各々が独自に考えた対応を取ることになります。対応が得意なオペレーターであれば問題ありませんが、経験が浅かったり技術力がなかったりするオペレーターがいる場合は、対応する人によって品質が変わってしまいます。
このような問題を防ぐためには、トークスクリプトを作成し、オペレーター全員が同じ品質で行えるようにします。また、スキルの高い従業員の対応をスクリプト形式に落とし込むことで、その技術を全体に周知することも可能です。

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コールセンターのトークスクリプト作成方法

トークスクリプトは、問い合わせなどの顧客対応に該当する「インバウンドコール」と、営業などで顧客に電話をかける「アウトバウンドコール」とでポイントが異なります。また、業種や業務内容などによっても変わります。その点を意識して自社に合ったスクリプトを作成することが重要です。

トークスクリプトの基本構成とそれぞれの作り方

トークスクリプトの構成は、つかみとなる「オープニングトーク」、内容を伝える「メイントーク」、締めとなる「クロージングトーク」の3つに分かれます。ここではそれぞれのトークの作成ポイントについて解説します。

オープニングトーク

オープニングトークは、挨拶や自己紹介など、会話の始まりに該当するものです。相手に第一印象が伝わる非常に重要な要素であるため、明るくはっきりと発音し、丁寧な対応となるよう心がけます。
オープニングトークは「挨拶」「自己紹介」「つかみ」の順に行うことを想定した場合、以下のような例文を作成します。

  • 挨拶:「お電話ありがとうございます」「お忙しいところ恐れ入ります」
  • 自己紹介:「〇〇株式会社コールセンター担当の△△です」「〇〇株式会社の△△と申します」
  • つかみ:「先日は、弊社の商品をご購入いただきありがとうございました。本日は◯◯の件でご連絡いたしました」

このように挨拶から入り、つかみでメイントークの要件を簡潔に伝えます。全体に当てはまることですが、トークが冗長になってしまうと顧客の印象が悪くなります。電話するということは相手の時間を割いているという認識を持ち、できる限り分かりやすく伝わるように心がけます。

メイントーク

メイントークでは、本題の要件に入ります。ここで注意するべき点は、こちらが一方的に伝えるのではなく、相手の話を聞くことも交えながら進めることです。
インバウンドでは、相手からの質問に答える形となるため、相手の話を聞きながら適切な相づちなどで共感を伝えることが大切です。単純な問い合わせであればそのまま確認して解決へと導けば良いですが、クレームなどのイレギュラーな問い合わせもあります。その場合は特に傾聴と共感が重要です。
アウトバウンドの場合は、こちらが顧客にコールするため、提案することが鍵になります。「〇〇のサービスをお使いいただいていますが、さらにお安く利用できる提案がございます」など、相手にとって魅力的かつ分かりやすい提案を積極的に行うことで、途中で電話を切られないようにします。

クロージングトーク

顧客対応は最後まで気が抜けません。最後のトークで印象が変わってしまうこともあるため、クロージングトークにおいても丁寧に行います。例えば「他に何かご質問はございませんか」といった質問を行ったり、「本日はコールセンター担当の〇〇が対応を承りました」などの言葉を残したりすることで、好印象を与えます。
特にアウトバウンドの場合は、相手の時間を割いて対応してもらっているため、「このたびはお忙しい中、貴重なお時間を割いていただきありがとうございました」といったような言葉を残すことも大切です。また、次のアポイントメントを取ることもクロージングトークで行います。

業務の種類別・コールセンタースクリプトの作成方法

前述のように、インバウンドとアウトバウンドでは対応のポイントに差異があります。それぞれの特徴に合ったスクリプトを作成しましょう。

インバウンド

インバウンドでは、相手の質問や要望を聞いた上で、それに応じた対応を行います。そのため、どのような質問が来るかを想定した回答を作成する必要があります。回答に間違いがあってはいけないため、正確性と迅速性(簡潔な対応)が重要です。
イレギュラーな問題があった場合の対応内容も考えます。もしオペレーターが対応困難である場合は上長に交代する、といった対策も必要です。

アウトバウンド

アウトバウンドでは顧客に電話をかけるため、相手への提案が主となります。この場合、相手の時間を割いて対応してもらうため、なるべく簡潔に要件を伝えなくてはなりません。また、こちらの利益だけでなく、相手にとって魅力的な提案ができるように考えることも重要です。話を聞くことで顧客にどのような利点があるのかが伝えられるように、セールスポイントを考えましょう。

コールセンターのトークスクリプト例文

ここからは、インバウンドとアウトバンドで想定されるトークスクリプト例文をそれぞれ紹介します。

例文:インバウンド

【オープニングトーク】
「お電話ありがとうございます。〇〇株式会社コールセンター担当の△△です」

【メイントーク】
「本日はどのようなご用件でしょうか」
「お手数をおかけしますが、現在の状況をお伝えください」
「左様でございましたか。ご不便をかけて大変申し訳ございません」
「こちらで対応いたしますので、商品を〇〇宛にご返送ください」
「〇〇を確認いたします。現在商品はお手元にございますか」

【クロージングトーク】
「本日は、コールセンター担当の〇〇が対応いたしました」
「お問い合わせありがとうございました。失礼いたします」

例文:アウトバウンド

【オープニングトーク】
「突然のお電話失礼いたします。私、株式会社〇〇の〇〇と申します。〇〇様のお電話でよろしいでしょうか」

【メイントーク】
「このたびは、〇〇の商品をご購入いただきありがとうございました。」
「本日は、〇〇のサービスをご利用ということで、よりお得にご利用いただけるサービスのご案内でご連絡いたしました。」
「こちら〇〇という商品で・・・(商品の説明)」

【クロージングトーク】
「本日は、お客さまの貴重な時間を割いていただきありがとうございました」
「ご質問やご不明点がある場合は、〇〇までご連絡ください」
「酷暑が続きますが、お体に気をつけてお過ごしください」

コールセンターのトークスクリプト作成におけるポイント

トークスクリプトの作成は、経験豊富で実績のあるオペレーターにヒアリングすることが重要です。現場で培われた熟練オペレーターの経験知を共有することで、全体のレベルを底上げします。
また、作成したスクリプトが分かりにくいものでは他のオペレーターの参考になりにくいため、読みやすいように作成することも重要です。新人でも一目見てすぐに取り入れられるように、レイアウトや文章に工夫してください。作成後も定期的に改善を加えることで問題点が修正され、よりレベルの高いスクリプトへとアップデートすることが可能です。

まとめ

トークスクリプトは、「オープニングトーク」「メイントーク」「クロージングトーク」の構成で作成します。インバウンドとアウトバウンドとでは作成するポイントが異なるほか、企業の業務内容に応じて作成することもポイントです。
コールセンター(コンタクトセンター)の改革には、ベルシステム24が提供するコールセンター支援ソリューションが有効です。音声認識や感情解析、自動応答といったソリューションのほか、統合CRMシステムの導入によって関連コンテンツの整備が図れます。コールセンターの品質改善にぜひご検討ください。

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