コールセンターやコンタクトセンターでは、応対品質向上のためにAI技術を用いた「音声分析(テキストマイニング)」が活用されています。顧客満足度の向上のためには、応対品質を把握し改善していく努力が不可欠です。当記事では、「音声分析」の概要や機能などをご紹介します。
「音声分析」とは何か?
商品の不具合やサービスに関する問い合わせなどで、企業に電話やメールでコンタクトを取った経験がある方も多いのではないでしょうか。
企業の問い合わせに対応するコンタクトセンターやコールセンターでは、通話がスタートする前にしばしば、「サービス向上のため録音させていただいております」などの決まり文句が自動音声で流れてくることがあるでしょう。実際に、録音された音声は、オペレーターの応対品質向上のためにモニタリングとして利用されることがあります。
従来のコールセンターでは、「SV(スーパーバイザー)」と呼ばれるオペレーターのマネジメントを行う役職が、オペレーターの応対品質をチェックし、指導を行ってきました。しかし、昨今のコールセンターやコンタクトセンターなどでは、顧客満足度向上のために「音声分析」の導入が進められています。
「音声分析」とは、AI技術を用いて通話内容を分析するシステムのことです。通話内容を文字に起こして、第三者が内容を把握できるシステムは以前からありましたが、近年はAIのディープラーニング技術の向上などを理由に、より高精度かつ業務に役立つような音声分析システムが多数開発されています。
音声を分析する目的
コールセンターなどで顧客とオペレーターとの通話内容を分析する目的は、大きく2つ挙げられます。それは、顧客満足度の向上とクレームの低減です。
音声分析の利用により、音声をビッグデータとして二次活用することが可能になります。商品やサービスを取り扱っている以上、顧客からの問い合わせは避けて通れません。毎日、数多くの顧客からの問い合わせに対応しているという企業は、非常に多いのではないでしょうか。
そして、顧客からの問い合わせがある以上、問い合わせをしてくる一人ひとりの顧客満足度の向上とクレーム低減は、どの企業にとっても大きな課題といえます。
「音声分析サービス」の主な機能
Bell System24では、さまざまな業種・業界におけるコールセンター業務を効率化するため、他者と連携して独自の音声分析サービスを開発・提供しています。そのうちの一つである「テキストマイニング(音声分析)VextMiner」には、文字起こしやキーワード検知といった、一般的なコールセンター業務で用いられる機能とは別に、画期的な機能も複数搭載されています。
関連動画のご紹介
Bell System24が提供する「テキストマイニング(音声分析)VextMiner」を例に、音声分析サービスの主な機能について見ていきましょう。
不要語の削除
まず「テキストマイニング(音声分析)VextMiner」では、不要語の削除を行うことができます。「不要語の削除」とは、語尾や言い回しの違いなどによって生まれる不要表現を削除することを指します。
音声分析ではしばしば、語尾や言い回し、若干のニュアンスの違いなどにより、違うテキストと認識されて、音声分析の精度を下げてしまうことがあります。例えば「お待たせいたしました」と「お待たせしました」、「○○が承ります」と「○○がお受けいたします」などが挙げられます。
この機能は、そうした類似する表現を概念検索によって一括抽出し、削除する表現と削除しない表現とに簡単に分けることができます。これにより認識ミスが減り、分析精度の向上につながります。
会話セグメント分析
音声分析においては、「言葉の一つひとつにフォーカスを当てて分析する」という手法を用いるケースが多々あります。しかし、言葉をそのまま分析するだけでは、日本語表現の複雑さゆえ認識ミスが発生する恐れもあるため、文脈による分析も欠かせません。
「テキストマイニング(音声分析)VextMiner」では、会話の内容を話題のセグメント(単位)ごとに自動分割することもできます。
この会話セグメント分析により、会話の内容を自動的に分析し、例えば「契約」に関する通話内容であれば、その中でも契約内容の説明や形状要求について、保険料試算や確定処理について、といった具合に、会話内容を単位ごとに分類・分析することが可能です。
話題の自動分類
「話題の自動分類」とは、AIが通話内容からその全体像を素早く把握し、分析・分類する機能のことを指します。この機能によって、分類の「切り口」の発見がより簡単になり、分類方針をより臨機応変に変えていくことも可能となります。自動的に分類された話題は、一目でわかるよう色別に分けられるため、感覚的に話題を把握できるでしょう。
カスタムレポート機能
「カスタムレポート機能」とは、分析したい項目に応じて、ダッシュボードにレポートを表示させる機能です。この機能では、入電理由やその推移、話題の全体図、オペレーターの情報など、さまざまなデータを取り扱うことが可能です。そのため、顧客満足度の向上やクレームの低減だけでなく、コールセンターやコンタクトセンターの業務効率化にも大きく寄与します。
また、ダッシュボードに表示されるグラフや図は、色付けされていて非常にわかりやすく、感覚的にも応対品質の現状を把握できることから、品質向上における指標としても役立つでしょう。
[SMART_CONTENT]
まとめ
コールセンターにおける音声分析について、「Bell System24」の音声分析サービスを例にご紹介しました。顧客満足度は、オペレーターの話し方ひとつで変わります。適切な応対をするためにも、コールセンターにおける音声分析は非常に有効です。まだ導入されていない企業は、これを機に導入を検討してみるとよいでしょう。
- TOPIC:
- 課題・ソリューション
- 関連キーワード:
- 音声認識