AIロボットとは?
ロボットとの違いや種類、活用事例を紹介

 2024.11.26  コンタクトセンターの森 編集部

AIロボットの台頭により、企業活動における業務効率化や省人化、生産性の向上などが実現しています。本記事では、AIロボットの定義や従来のロボットとの相違点、さらにAIロボットの種類や企業が導入する理由、活用事例などを紹介します。

AIロボットとは? ロボットとの違いや種類、活用事例を紹介

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AIロボットとは

AIロボットは、AI(人工知能)を搭載したロボットです。噛み砕いて説明すると、プログラムに従って作業を行うロボット(ハードウェア)にAI(ソフトウェア)を搭載したものです。ハードウェアから収集したさまざまな情報をもとにAIが学習し続けることで、状況に応じた最適な動作ができるようになり、複雑かつ精密な作業を実現します。

AIとロボットの違い

混同されることもありますが、AIとロボットは別物です。AIは人工知能を意味する「Artificial Intelligence」の略称であり、そのような機能を持つ「ソフトウェア」「システム」を指します。人間の脳と同じように自ら学習・思考したり、その結果について言語化などを介して伝えたりすることが可能です。

他方、ロボットは定められた作業を正確にこなせる機械(ハードウェア)を指します。プログラムどおりに動けますが、自律的に学習する機能は備わっていません。このロボットにAIを搭載することで、それぞれ単体で活用するよりも大きな効果を得られます。

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AIロボットの種類

工場や飲食店、施設や家庭などさまざまな場所でAIロボットが用いられています。AIロボットの種類には、大きく分けて産業用と家庭用の2つあります。

産業用AIロボット

従来の産業用ロボットには、専門的な技能を持つエンジニアによるメンテナンスや動作を教え込むティーチングが必要でした。そのため導入が困難な企業もありましたが、AIロボットは自己学習を繰り返すことでティーチングを自ら行えるようになるため、コスト削減できます。

産業用AIロボットの例として挙げられるのは、主に工業用ロボットや接客用ロボットです。荷物の搬出や検品の自動化、品質管理などで工業用AIロボットが活用されており、受付での接客や飲食店で配膳を行う場面では接客用ロボットが導入されています。

身近な例としてはSoftBank社の人型ロボット「Pepper(ペッパー)」やPudu社が考案した猫型配膳ロボット「BellaBot(べラボット)」などです。非接触でも効率的な作業ができること、さらに人手不足や省人化につながるとして導入する企業が増えています。

家庭用AIロボット

産業用と異なり、家庭用のAIロボットの主な目的は家事のサポートやコミュニケーション、癒しの機会創出です。家庭用AIロボットの例として挙げられるのはロボット掃除機「Roomba(ルンバ)」などのAIが搭載された家電や、ペット型ロボット「aibo(アイボ)」などです。搭載されたカメラや検知センサーにより、Roombaは部屋の間取りを認識し、障害を避けて掃除します。aiboはコミュニケーションをとるたびに成長し、相手によって態度を変えるなど個性を獲得します。家事の一部を自動化することで自由な時間が増え、ロボットから安らぎや楽しさを得ることで生活が豊かになると考えられています。

企業がAIロボットを導入するメリット

現在、多くの企業がAIロボットを導入し、課題を解決しています。導入によって得られる主な効果は、業務効率化やコスト削減、サービスの均一化などです。

業務の効率化

少子高齢化が進み労働人口が減少する中、人手不足を解消するAIロボットのニーズが高まっています。単純作業をはじめさまざまな業務を自動化することで、重要な業務や人間しかできないコア業務に注力できるようになります。

AIロボットに危険な場所での作業を任せられる点もメリットです。また、人間よりもミスが発生しづらいため、ダブルチェックや従来の確認作業をある程度削減できます。そのため少ない人数でも業務を効率的にこなせるようになり、生産性の向上が期待できます。

コストの削減

人間と異なり、AIロボットは24時間365日稼働させることができ、給与を払う必要もありません。導入費用が高額な場合でも、長期的に回収できるケースが多いです。また、リース料金を支払っても、人件費よりも安価なためトータルでみるとコスト削減が可能となります。

加えて、業務効率化により仕事量や労働時間が減ることは、残業代の削減に寄与します。働きやすい職場になれば離職率が低下して人材が定着するため、人材募集や教育のコストもかかりません。AIロボット導入によって生産性が向上すれば、コストを削減しつつ利益向上が見込めます。

サービス・品質の均一化

人間に長時間作業を任せると、疲労や体調不良によるパフォーマンスの低下やミスが発生するリスクが高まります。一方、AIロボットは稼働時間に従いパフォーマンスが低下することはなく、高品質のサービスを提供し続けます。

さらにAIロボットは人間のように能力の差異が発生しないため、サービスや品質の均一化が可能です。そのため、サービスの属人化を防ぐのに役立ちます。加えてAIチャットボットを導入すれば、休日や夜間の対応も可能となるため、ひいては顧客満足度が向上します。いつでも高品質の商品やサービスを提供できるようになれば、企業のイメージや信頼度の向上が達成できると考えられます。

AIロボットの活用事例

AIロボットはさまざまな分野で日々活用されています。外観検査や農業、介護支援ロボットなどの事例を以下に解説します。

外観検査ロボット

製品に異物混入や欠陥などの異常がないかを判別する外観検査は、従来は主に目視で行われてきました。手作業のためミスや精度のムラが生じるリスクがあり、検査によってはベテランにしか任せることができないといった課題がありました。

産業用の協働ロボットに画像認識AIを搭載することで、外観検査の自動化が可能となりました。AIロボットには人間には不可能な角度からの撮影が可能であり、常に高精度の検査を実施できます。AIロボットの導入により、業務の効率化や属人化の防止、生産性向上などの効果が期待できます。

農業用ドローン

農業も人手不足が深刻化している分野のひとつです。目視で病害虫を確認して農薬を散布するのは多大な時間と労力がかかりますが、AIロボットを導入して効率的に進められるようになりました。

具体的には、画像認識AIを搭載したドローンが農作物を撮影し、病害虫の種類や発生個所を特定します。病害虫の早期発見が可能になりピンポイントで農薬を散布できるため、使用する農薬や労力を大幅に削減できます。さらに、従来使われていた無人ヘリコプターの代わりに小型のドローンを利用することで、コスト削減にもつながります。さらに、AIロボットによって作物の収穫に最適な時期や収穫量の把握なども可能になるため、生産性向上が見込めます。

介護支援ロボット

介護支援ロボットは、高齢者や障害者などの日常生活をサポートするためのAIロボットです。例えば、歩行が困難な人々をサポートする移動補助ロボット、リハビリテーションを効率的に行えるようにするリハビリ支援ロボットなどがあります。また、見守りロボットは高齢者の行動や健康状態をモニタリングし、緊急時には迅速に対応します。介護支援ロボットを導入することにより、介護者の負担が軽減され、被介護者の自立した生活が支援されます。AI技術が駆使された介護支援ロボットは、介護の現場での労働力不足を解消する一助となるだけでなく、より質の高いケアを提供できるものと期待されています。

まとめ

AIを搭載したAIロボットは、産業用と家庭用に大別され、工業やサービス業など幅広い分野で活用されています。導入すれば、業務効率化やコスト削減、サービスの均一化が同時に実現でき、人手不足でも高品質な商品やサービスの提供が可能です。

外観検査や農業用ドローン、介護支援ロボットをはじめ、すでに多様な用途で利用されており、AIロボットの活用は課題解決やさらなる発展の糸口となるはずです。今後もAIロボットの進化は続き、私たちの生活や業務をより豊かにする重要なツールとなることでしょう。

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