コンタクトセンターの課題とは? それぞれの解決策も解説

 2021.01.26  2024.08.30

コンタクトセンターの運用に関して課題を抱えている企業は少なくありません。しかし、課題は認識できていても、具体的な解決の糸口を見つけられていない企業が多いのも事実です。この記事では、コンタクトセンター運営でよくある課題や、それぞれの解決法を解説します。

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コンタクトセンターの重要課題

企業によって、コンタクトセンターの目的や規模が異なるため、抱えている課題にも違いがあります。ここでは、コンタクトセンターを運用している多くの企業が抱える、代表的な課題をいくつかピックアップしました。

オペレーターの採用や育成

「優秀なオペレーターを採用できない」と頭を抱える企業経営者や、部門担当者は少なくありません。原因はいくつか考えられますが、ひとつにはコンタクトセンターの業務に人気がないことが挙げられます。

「オペレーター=クレーム対応」という世間一般の認識が浸透していることや、ビジネスには関与していないというイメージによって営業や開発など、ほかの部署に比べてコンタクトセンターの人気は低い傾向にあります。そのため、募集をかけても応募者が集まりにくいのが現状です。

また、離職率の高さも大きな課題のひとつです。主な要因としては、「クレーム対応によるストレス・評価基準の曖昧さ・賃金の低さ」があり、そして「ほかの社員とコミュニケーションが取りにくいこと」なども挙げられます。このようなことから、短期間で職場を去るケースも珍しくありません。丁寧に育成しても、ある日突然辞めてしまうというケースもあります。

そのため、オペレーターの品質レベルを均一化しづらいという問題を、多くの企業が抱えています。その結果、顧客満足度の低下につながる負のスパイラルを生み出してしまうのです。

業務の生産性向上

生産性が向上しない要因にはさまざまな理由が考えられます。単純にオペレーターの人員が足りていない、品質が低いといったケースも考えられますが、それ以上にコンタクトセンター管理者がプレイングマネージャーとして現場で働かざるを得ない環境にあることで本来の業務に注力できていないことが考えられます。

コンタクトセンターの管理者が担う業務は多岐にわたります。以下、管理者の主だった業務をまとめました。

  • オペレーターの相談を受ける
  • コンタクトセンター全体の業務管理
  • 顧客対応における品質管理
  • オペレーターの勤怠管理
  • 育成プログラムの策定や実施
  • 専門知識が求められるクレームへの対応

オペレーターとして働きながらこれらの業務を並行することは非常に困難であると言えるでしょう。本来の管理やマネジメント業務に集中できないことにより、チーム全体の業務効率の低下が懸念されます。

サービス品質向上

コンタクトセンターの品質が、企業のイメージを決定づけるケースもあります。そのため、コンタクトセンターのサービス品質を高い水準に保つことは企業にとって重要です。

コンタクトセンターで管理すべき品質には、「運用品質・接続品質・応対品質・処理品質」の4つに分けられ、どれかひとつでも品質が低いと企業イメージの低下につながりかねません。

運用品質が最適化できていないと、掲げる目標の達成が遠ざかります。目標達成のために必要な運用ができておらず、オペレーターのモチベーション低下も招くでしょう。

接続品質が低下すると、コンタクトセンターにつながりにくくなります。「何度電話をかけてもつながらない」「メールを送っても返信がいつまで経ってもない」といった印象を顧客にあたえないよう注意しましょう。

この中で最も優先順位の高い品質が、直接顧客とやり取りを行う応対品質です。応対品質が低い場合、顧客から悪い印象を持たれ、企業イメージの低下に直結します。SNSの発達した現代においてはより懸念すべきことです。また、コンタクトセンターに寄せられた苦情や要望をきちんと処理できているか、処理品質の向上も考えなくてはなりません。

処理品質は、オーダーを適切かつ速やかに処理できているかという点に焦点が当てられます。オペレーターの習熟度不足により、顧客を待たせてしまうことが増えるとクレームにつながってしまうでしょう。これも、顧客の満足度に大きく影響するという点においては応対品質と共通しています。

経営上重要視されていない

コンタクトセンターは、既存客や見込み客からの要望、苦情などをまとめ、各部署に届ける役割を担っています。各部署はそこから得た情報をもとに、サービスの改善や商品の品質向上などに役立てているのです。

つまり、従来のコールセンターとは違い、コンタクトセンターは直接的に利益を生み出せる部署と言えます。にもかかわらず、未だにコンタクトセンターについて電話を受けるだけの部署、利益に直接関わりのない部署と認識している企業経営者や、経営陣は少なくありません。
経営陣がコンタクトセンターの役割や、コールセンターとの違いなどについて正しく理解する必要があります。

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課題に対する対策方法とは

企業が抱えるコンタクトセンターの課題はいくつもありますが、どのような対策を施せばよいのでしょうか。いくつかの対策が考えられますが、ここでは代表的なものをピックアップしてみました。

労働環境の改善

コンタクトセンターの重要性を認識できていない企業では、オペレーターの賃金を低く設定しているケースが少なくありません。これでは、オペレーターのモチベーションも上がらず、業務品質は低下する一方です。

こうした事態を回避するため、「賃金のアップ・休憩時間の増量・福利厚生の充実化」などの対策を検討しましょう。労働環境の改善ができれば、オペレーターの離職率引き下げの効果も期待できます。

また、オペレーターの採用基準についても見直してみましょう。募集しても人が集まらない場合、年齢制限や、待遇を変えてみるなどの対策でリクルートが成功する可能性があります。

一方、即戦力を求めるのであれば、経験者や有資格者などを中心に募集を行いましょう。まずは人員をそろえてその後育成するのか、それとも即戦力を集めてすぐにコンタクトセンター業務を開始するのか、それにより募集の仕方も変わります。

業務のアウトソース

自社にコンタクトセンターを立ち上げるのではなく、専門業者に委託する方法もあります。アウトソースを採用した場合、導入コストや人件費、ランニングコストなどあらゆるコストの削減を実現できるメリットがあります。

また、人材の確保や育成などの時間、手間がかからないため、すぐにでもコンタクトセンター業務を開始できるのもメリットです。専門的な知識を有するオペレーターが在籍する専門業者もあるため、そのような業者を利用すれば応対品質の向上が期待できるでしょう。

企業によっては、オペレーターがコンタクトセンター業務を行いつつ、ほかの業務も兼任しているケースがあります。コンタクトセンター業務をアウトソースすれば、これらの業務から解放され、注力すべきコア業務に集中できるメリットもあります。

AIシステム導入で業務効率化

コンタクトセンターに、AIシステムを導入する企業が増えています。代表的なAIシステムには、CTIやチャットボットなどが挙げられます。
CTIはコンピューターと電話を統合したシステムで、顧客との過去の通話履歴や、基本情報の閲覧が可能です。

チャットボットは質問に対して予め用意されている回答を返すシステムです。

ほかにも、手が空いているオペレーターに自動的に着信が割り当てられるACD、オペレーターにつなぐ前に音声ガイダンスで案内するIVR、内線と外線を統合してコントロールするためのPBX、繰り返しの業務を自動で行うRPAといったシステムがあります。

AIシステム導入のメリットは、オペレーターの負担を軽減できることです。例えば、着電時の応対をAIに任せ、必要に応じてオペレーターへ電話を振り分ける、といったことも可能です。応対品質はもちろん、業務効率を向上させる効果も期待できます。

ただ、やみくもにAIを導入しても期待する効果は得られません。逆に、オペレーターの操作することが増え、負担が増加するおそれもあります。改善したい問題や目的などに応じ、ベストなAIシステムを導入しなくてはなりません。

まとめ

コンタクトセンターの品質向上を目指すには、まず具体的にどのような課題があるのかを明確にすることから始めましょう。それにより、施すべき対策も違ってきます。

課題が明確になったら、ここで紹介した対策を参考に改善を進めましょう。業務のアウトソースや、AIシステムの導入も選択肢のひとつです。

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