コンタクトセンター・コールセンターはインハウス?
アウトソーシング?それぞれのメリット・デメリット

 2020.07.29  2024.04.24

コンタクトセンターには「インハウス」と「アウトソース」という2つの運営方法があることをご存知でしょうか。顧客と直に接するコンタクトセンターは、“企業の顔”とも言うべき重要な存在です。この記事では、コンタクトセンターの運営方法やそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。

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コンタクトセンターの「インハウス」「アウトソース」とは

顧客からの問い合わせに電話で対応する部署は「コールセンター」と呼ばれていました。しかし近年は、メール、チャット、Webなど、電話以外の窓口も増えています。そこで生まれたのが「コンタクトセンター(CC)」という言葉です。コンタクトセンターには、大きく分けて2種類の運営方法があります。まずはそれぞれの特徴についてご紹介します。

インハウスは「内製化」

1つ目はインハウス型のコンタクトセンターです。インハウス(in-house)とは、「社内」や「組織内」といった意味を持ちます。インハウス型のコンタクトセンターは、自社の組織や人員のみで運営されています。また、子会社としてコンタクトセンターを持っている場合もインハウスとなります。このように、外部に委託していた業務を自社内で行うことを「内製化」と言います。

もっと読む:コンタクトセンターとは?今求められる理由と必要なシステムを解説

アウトソースは「業務委託」

2つ目はアウトソース型のコンタクトセンターです。アウトソース(outsource)は「業務委託」や「外部委託」を意味する言葉で、インハウスの対義語です。アウトソース型のコンタクトセンターでは、電話設備を含めた業務の運用・管理を専門の事業者に代行してもらいます。

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コンタクトセンターをインハウスにするメリット・デメリット

次に、コンタクトセンターをインハウスにするメリットとデメリットをご紹介します。

メリットは対応のしやすさやノウハウ蓄積など

インハウス型のコンタクトセンターにおける最大のメリットは、高い対応力を維持できるという点です。インハウス型のコンタクトセンターでは、基本的に自社のスタッフがオペレーターとなります。したがって自社の商品・サービスを深く理解しており、わかりやすい説明ができる可能性が高いでしょう。オペレーターの対応が良ければ、顧客満足度の向上にも繋がります。また、コンタクトセンター業務をすべて自社内で完結できるため、情報の共有や管理がスムーズです。エスカレーションがスムーズに進み、トラブル対応もスピーディーに行えるでしょう。

またノウハウや現場の声を蓄積できるため、業務改善がしやすいという点もメリットです。自社のスタッフ自身が顧客のリアルな声を聞けるため、より顧客のニーズに合った新商品やサービスを開発しやすくもなるでしょう。着実に安定したコンタクトセンターを運営したいのであれば、インハウス型のコンタクトセンターの方が向いていると言えます。

デメリットはコスト負担や時間外対応の問題など

インハウス型のコンタクトセンターにおいて、最大の懸念材料となるのがコストの問題です。主に次のようなコストがかかります。

  • 電話設備への投資
  • システムの購入・維持費
  • オペレーターの確保・教育費
  • 事務所の家賃

自社内で新たにコンタクトセンターを開設すると、イニシャルコスト、ランニングコストともに大きな金額が必要となります。また、こうした準備にはある程度の時間が必要で、すぐにはコンタクトセンターを構築することはできません。時間や予算に余裕がないと、インハウスでのコンタクトセンター運営は難しいでしょう。ただしクラウド型のコールセンターシステムなどを利用すれば、場所代や導入・運用コストなどを抑えることも可能です。

また、営業時間外の問い合わせなどにどう対応するかという問題もあります。顧客の中には、仕事から帰った後や休日にしか問い合わせができないという人も少なくないでしょう。しかし自社で運営するインハウス型のコンタクトセンターでは、時間外や土日祝日などはどうしても対応が難しくなります。顧客とのすれ違いが生じてしまい、顧客満足度の低下やビジネスチャンスを逃す要因となりかねません。時間外や土日祝日に対応しようとすると、それだけ人件費がかかってしまいます

コンタクトセンターをアウトソースにするメリット・デメリット

次に、コンタクトセンターをアウトソースにするメリットとデメリットをご紹介します。

メリットはコスト削減や高い問題解決力など

アウトソース型のコンタクトセンターにおける最大のメリットは、低コストで導入できるという点です。先ほどご説明した通り、インハウスでコンタクトセンターを立ち上げる場合は、時間もコストも必要です。コンタクトセンターを外部にアウトソーシングすれば、設備投資や人件費などを大幅に削減することができます。必要な設備、機材、人材はすべて揃っているため、導入までの時間もかかりません。業務を外注する期間だけのコストで済むため、「利用した分だけ費用を払う」という使い方ができるのです。大規模なコンタクトセンターをスピーディーに立ち上げたいという場合は、アウトソース型の方が良いでしょう。

また、経験豊富なオペレーターに任せられるという点もメリットです。インハウス型の場合は一からオペレーターを育成しなければならないため、電話対応の品質を向上させるにはある程度の時間が必要でしょう。アウトソースであれば、電話対応に必要な教育や研修を受けた優秀なオペレーターが対応します。導入当初から、丁寧でスムーズな問題解決が期待できるでしょう。

デメリットは柔軟性や対応スピードに欠けること

アウトソース型のコンタクトセンターのデメリットは、柔軟性に欠けるという点です。自社で直接指揮を取れるわけではないため、思い通りに動いてもらうのは難しいでしょう。またエスカレーションに遅延が生じやすく、トラブルへの対応が遅れる可能性もあります。対応が遅れると顧客満足度の低下を招く要因となります。

また、情報漏えいのリスクもあります。サポート窓口などで細かな問い合わせに対応するには、委託先の事業者に顧客情報や自社の重要な情報を渡す必要があります。これにより外部に情報が漏れたり、悪用されたりする可能性も否めません。インハウスのコンタクトセンターであれば適切なセキュリティ対策を行えます。しかしアウトソーシングの場合は、セキュリティ対策に関しては委託先に一任するしかありません。情報漏えいのリスクを低くするためには、業務を委託する事業者の実績やセキュリティ対策についてしっかりと確認しておく必要があります。

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コンタクトセンターにはインハウスとアウトソースを組み合わせる方法もある

一部をアウトソースにするなど、インハウスとアウトソースを組み合わせるという方法もあります。例えば、コンタクトセンター自体は自社内に設置し、オペレーターの派遣やセンターの運営などを外部の事業者に委託するといった方法です。こうした運用形態は、「インソーシング(insourcing)」(in-houseとoutsourceを合わせた造語)と呼ばれることもあります。このほか、平日の営業時間帯はインハウスで対応をし、時間外や土日祝日のみアウトソースで運用するといった方法もあります。

インハウスとアウトソースを組み合わせた「ハイブリッド型」にすることにより、より効果的にコンタクトセンターを運営することができます。

まとめ

質の良いコンタクトセンターを運営することは、企業のイメージアップのためにとても重要です。インハウス型とアウトソース型にはそれぞれメリットとデメリットがあり、どちらが適しているかは企業によって異なります。自社が提供する商品やサービス、見据えるビジョンなどを考え、どちらがより良い選択なのかを考えましょう。

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