Web接客を活用してコンバージョンを改善しよう

 2023.09.11  2024.05.08

現代のビジネスにおいて、Webサイトは企業と顧客との接点として重要な役割を果たしています。Web接客とは、オンラインでの接客・対応のことであり、効果的なWeb接客を行うことで、顧客体験価値の向上やコンバージョン率の向上につながります。前回記事では、Web接客の重要性や効果について詳しく解説しましたが、今回はWeb接客によりもたらされるコンバージョン率の向上について解説していきます。

Web接客を活用してコンバージョンを改善しよう

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Web接客の重要性(おさらい)

前回記事をご覧になった皆様にはおさらいとなりますが、Web接客の重要性とその効果について、簡単に振り返りをしましょう。

Web接客とは、Webサイト上でユーザーに対して接客することを指します。
リアルの店舗で、販売員が来店したお客様にお声がけをしたり、商品探しのお手伝いをしたり、ご質問に回答するのと同様に、それをWeb上で実現することがWeb接客である、と書くと一番イメージがわきやすいのではないでしょうか。
リアル店舗での販売員の役割は、商品の販売を促進したり、お客様のお困りごとを解決することにあります。
同じように、オンラインにおいても商品購入やサービスのお申込みの後押しのためにWebサイト上でユーザーに対して接客することがWeb接客の役割となります。

Web接客を行うことで、より速やかな対応や効果的なカスタマーサポート、ターゲットのニーズに合わせたカスタマイズや顧客情報管理等、多岐にわたり顧客エンゲージメントのメリットが生まれます。
リアルタイムで効果的にサポートしたり、サービスを提供することはビジネスをますます成長することに繋がります。

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コンバージョンを理解する

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回の本題、Web接客によってコンバージョンを高める方法について進んでいきましょう。
そもそも、読者の皆様のサイトにおいて「コンバージョン」は何を指していらっしゃるでしょうか。
ECサイトであれば”商品の購入”、サービス提供サイトであれば”サービスの申込”、法人向けのサイトですと”資料請求”や”案件問い合わせ”かもしれません。
必ずどのサイトにも、目的があって開設され運営されていますので、自サイトの目的とコンバージョンについて正しく理解し、数値を計測できる仕組みは整えておきましょう。

Webサイトにおいてコンバージョンを構成する要素はいくつかあります。

最終的なコンバージョン成果に関わってくる要素としては、例えばECサイトであれば、Webサイトの訪問者数、コンバージョンに至るCVR(コンバージョンレート)、1回あたりのコンバージョン単価、リピート率などが代表として挙げられます。

「コンバージョンを上げる」というと、広告やSEOなどの集客施策、CVR改善の個別手法に目がいきがちですが、
まずは自社サイトのコンバージョンがどのような要素で成り立っているのかを整理してみましょう。

  • サイト訪問者数
    Webサイトの訪問者数は、コンバージョンを構成する要素の一つです。
    より多くのユーザーがサイトに訪問し母数が増えれば、コンバージョン数のアップが期待できます。
    訪問者数を増やすには、広告やSEOなどの集客施策があります。
    サイト来訪前の仕掛けとなりますので、サイト内のWeb接客により直接的に向上させることは難しい領域でもあります。
  • CVR(コンバージョンレート)
    CVRは「一定期間の訪問者のうち、何人がコンバージョンに到達したか」の割合を表す指標です。
    せっかくサイトへ訪問してくれたにもかかわらず、何もせずに離脱してしまうと、集客にかけたコストは無駄になってしまいます。
    CVRの改善には、サイト自体の使いやすさ・わかりやすさやWeb接客が密接にかかわってきます。
  • コンバージョン単価
    コンバージョン単価は、コンバージョンが発生した時の売り上げとなる単価を指します。
    一般的には、コンバージョンは件数でカウントされるので、平均購買単価とコンバージョン件数の掛け合わせで算出するのが良いでしょう。
    この要素も、Web接客によって改善が測れるものの一つです。
  • リピート率
    最後の要素はリピート率です。
    リピート率は、一度コンバージョンしてくれたユーザーが、再度コンバージョンしてくれる率を表す指標です。
    商材やサイト特性によりリピートする頻度や期間は差異があるものの、リピート率を高めることで長期的な成果を積み上げていくことができます。
    「1人のユーザーが将来的にどのくらい購入してくれるのか」という見方をする指標として、LTV(ライフタイムバリュー)があります。
    リピートしてくれるかどうかは、その商品自体の魅力だけでなく、初回のコンバージョン体験が満足いくものだったか、その後のアフターフォローがあるのかといった、接客・追客の要素が大きく関係してきます。↓

Web接客を活用したコンバージョン改善

前節では、コンバージョンを構成する主な要素について説明しました。
これらの要素が改善すれば、おのずとサイトのコンバージョンは改善していきます。
では、各要素についてどのようにWeb接客を活用しながら向上できるのか、具体例を挙げながらご説明していきます。

  • CVR(コンバージョンレート)を上げる
    CVRを高めることは、Webサイト改善のうち最も重要な目的のひとつです。Webサイトを訪問したのにコンバージョンせずに離脱したユーザーには、何か理由があるはずです。
    そもそも購入する気がなかったのであれば仕方ありませんが、興味はあったにもかかわらず目的を果たせなかったのであれば、それは改善すべきポイントです。
    例えば「サイト内で迷ってしまった」「目的の商品を探せなかった」「送料や配送についての疑問が解消できなかった」「説明が多く読むのに疲れた」「エラーが出てフォーム入力を完了できなかった」「他サイトのほうがお得に買える商品だった」など、離脱にはさまざまな原因が考えられます。
    Web接客を用いて、コンバージョンせずに離脱してしまうことを抑える施策はいくつかあります。
    • 条件に当てはまるユーザーへクーポンを配布し購買意欲を高める
      のべつまくなしに誰にでもクーポンを配布することは、効果面から見てもそこまで高くはありません。
      ただし、例えば「初回限定クーポン」などのように、”あなたにだけ”という特別感を持たせることにより、なんとなくサイトを見に来たという購買意欲が低いユーザーの関心を高め、コンバージョンに至る背中を押すような接客が可能です。
    • 困っているユーザーへの適切なサポート
      「気になった商品は色々あるけど迷っている」、「買った後のサポートがどうなるのか不安」など、購入前に迷いや不安を抱くユーザーへのサポートもWeb接客の重要な役割です。
      サイトに長時間滞在しFAQをじっくり読んでいる、同じページを行ったり来たりしている、などの特徴的な行動を捉え、最適なタイミングでチャット(ボット)で話しかけることで、購入に至る前の問題を解決し、コンバージョンへ導くことができます。
      また、登録フォームでうまく進んでいないことを検知し、ガイドを出すなどの方法もよいWeb接客の一例と言えるでしょう。
    • カゴ落ち防止
      カートまでは商品を入れたものの、決済まで進まずに離脱されてしまうのは非常にもったいないケースと言えます。
      カート画面まで進んだのに、そのあと別ページに遷移したユーザーに対し、「カートに商品が残っています」といったアラート表示を出すことで、再度購入手順へ戻ってきてもらうようなWeb接客手法が効果的です。
  • コンバージョン単価を上げる
    コンバージョン数は「訪問者数 × CVR」で導かれますが、1つひとつのコンバージョン単価を上げるのもWebサイトの成果につながります。
    コンバージョン単価を上げるための施策には「クロスセル(あわせ買い)」と「アップセル(上位の商品・プランへのアップグレード)」があります。
    クロスセルの実例としては、AmazonなどのECプラットフォームで表示される関連商品やおすすめ商品などのレコメンドがわかりやすいでしょう。
    アップセルは、サブスクリプションサービスであれば上位プランのメリットを伝えて、アップグレードを提案するポップアップを出すといった施策が相当します。
    どちらも押し売りではユーザーに受け入れられず嫌われてしまいますので、ユーザーの心理を考えながら、メリットを納得して選択してもらえるような提案が必要です。
  • リピート購入率を上げる
    最後はリピート率の向上です。
    マーケティングでは、新規のお客様を獲得するには、既存のお客様の5倍のコストがかかるという「1:5の法則」があります。新規顧客は獲得コストが高いにもかかわらず利益率が低いので、新規顧客の獲得以上に、既存顧客の維持が重要であるという考え方です。
    リピート率の向上は簡単ではありませんが、
    自社やブランドのファンになってもらう、会員登録をしてもらいコミュニケーションを取れる手段を作る、ポイントや会員ランクなど継続して利用するメリットを用意するといった手段があります。たとえば、何度も来訪・購入しているユーザーへお礼のポップアップバナーを出すことで日頃のご愛顧の感謝を明示的に表すことができるかもしれません。
    また「1回目のコンバージョンの体験が良い」ことも大前提です。体験が悪いと、リピーターにはなってもらえません。
    ここでもWebサイトの使いやすさや最適なWeb接客による気の利いた提案など、サイト内の接客が大変重要になってきます。

最後に

いかがだったでしょうか。
今回は、Web接客を活用したコンバージョン改善について説明しました。お読みいただいて、うすうす気づかれた読者の皆様も多いかもしれませんが、実はWeb接客を活用したコンバージョン改善を実現するために、1つ重要な要素があります。

それは、
ユーザーのサイト上での行動を(できるだけリアルタイムに)把握する
ということです。

リアル店舗での接客でもいえることですが、「接客」はタイミングが重要です。
ユーザーの状況や行動に合わせたタイミングで最適な接客を行うことで初めて、Web接客の効果が発揮され、コンバージョン改善につながります。
みなさまの自社サイトは、訪問ユーザーの行動が分析され、可視化されているでしょうか?

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まとめ

本日の記事まとめです。

✓ 自社サイトのコンバージョンが何か、定義し計測できる仕組みを整えましょう。
✓ コンバージョンを構成する要素に目を向け、それぞれに最適なWeb接客施策を打っていきましょう。
✓ サイト上でのユーザー行動を正確に把握し、最適なタイミングでWeb接客を行うことで効果を最大化しましょう。

Web接客は、オンライン上でユーザーの顧客体験を向上し、コンバージョン向上に有効なWebマーケティング施策の一つです。

すでにWeb接客に取り組まれている皆様も、
現在のWeb接客がユーザーの顧客体験に最適な影響を与えられているか、この機会に振り返ってみてはいかがでしょうか。

執筆者紹介

福田 哲哉
福田 哲哉
ベルシステム24に入社後はオペレーション部門に配属となり、インバウンド、アウトバウンドのオペレーションマネージメントを10年に渡り経験。その後2017年より、事業開発部門へ異動。CTCファーストコンタクト社へ出向し、課長職としてCTCFC社の成長に寄与。2020年、出向期間終了とともにソリューション開発部(現:ソリューション企画推進部)へ帰任し、オペレーション部門出身という経験を活かしながら、コールセンターとWeb領域を結ぶソリューション導入・オペレーション運用支援を行っている。
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