- ChatGPTを日本語で利用する方法
- 日本語でChatGPTを活用する際のコツとエラーへの対処法
- ChatGPTを使う時の注意点
ChatGPTは、米国生まれの対話型AIサービスですが、日本語で利用できます。本記事では、ChatGPTを日本語で活用するための方法やコツを解説しています。「上手に活用できるようになりたい」「トラブルの対処法を知りたい」といった場合には、ぜひ参考にしてください。

ChatGPT(チャットGPT)とは日本語にも対応した生成AI
ChatGPTは、米国の OpenAI が開発し、2022年11月末に一般公開された対話型AIサービスです。基盤となる技術は、トランスフォーマー(Transformer)アーキテクチャを用いた大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)で、名称の正式表記は「Chat Generative Pre-trained Transformer」です。
この「GPT」は日本語に直訳すると「生成的な事前学習済みトランスフォーマー」を意味し、人間との自然な対話を実現する点が特徴です。
従来の定型チャットボットと異なり、ChatGPTはユーザーの問いに対して、用意された定型回答ではなく、文脈に応じて「人間のような高度な応答」を返します。世界中で注目されており、実用用途も急速に広がっています。
公式サイトおよびアプリの画面は基本的に英語表示ですが、実際には複数言語に対応しており、日本語での入力・出力が可能です。
ChatGPTの仕組みや学習方法などについては以下の関連記事も参考にしてください。
ChatGPTの最新情報
2025年11月時点の最新版は「ChatGPT-5」です。
GPT-5は、従来モデルであるGPT-4oをベースに大幅な改良が加えられ、精度・速度・処理容量・マルチモーダル対応のすべてが強化されています。
GPT-4oに対して、GPT-5では、答精度の向上や、題解決力の強化(文章作成・コーディング・論理推論など)などが強化されています。
ChatGPTを日本語で始める方法
ChatGPTを日本語で始める手順は、以下の通りです。
なお、インターフェースやモデルは頻繁に更新されるため、クリック位置や名称は変わる可能性があります。
今回はブラウザ版および、アプリ版(Android-SOG15)にて操作をしました。(2025年10月現在)
1. ChatGPTにアクセスする
公式サイトへアクセスします。
https://chatgpt.com/
アプリの場合は「ChatGPT」で検索してインストールします。
2. ログインまたはサインアップをする
ブラウザ上の右上(Androidアプリの場合、画面中央)の「ログイン」または「サインアップ(新規登録)」をクリックします。

キャプション:chatgptのブラウザ版のログイン画面

キャプション:アプリ版ChatGPTのログイン画面

キャプション:ChatGPTにサインアップする方法とその画面
サインアップは以下のいずれかでできます。
- Googleアカウント
- Apple ID
- Microsoftアカウント
- 電話番号の登録およびパスワード設定
- メールアドレスの登録およびパスワード設定
3.「Settings(設定)」を選択し、言語を設定(アプリの場合、「一般」)
画面左下(あるいは右上)に表示されているアカウント名/アイコンをクリックし、メニューから「Settings」や「設定」と書かれた項目を開きます。

キャプション:ブラウザ版ChatGPTの「設定」の場所
「General(一般)」タブ内の「Language(言語)」欄を探します。「ja-JP」「日本語」などを選択し、設定を保存/ウィンドウを閉じます。
選択後、画面が日本語表示に切り替われば完了です。

キャプション:ブラウザ版ChatGPTで言語設定を変更する方法
アプリの場合、「一般」を開きます。

キャプション:アプリ版ChatGPTの設定(一般)の場所
その中の「言語」を開き、日本語に変更します。

キャプション:アプリ版ChatGPTの言語変更の方法
日本語でのChatGPTの使い方
ChatGPTは日本語入力に対応しており、日常会話だけでなく業務文書の作成や要約、メール返信などにも幅広く活用できます。
ここでは、実際に日本語でChatGPTを使う際の基本操作や、効果的なプロンプト(指示文)の出し方を紹介します。
WEBブラウザ版:PCでの使用方法
ブラウザ版の使い方を解説します。
① プロンプト(指示文)の入力とモデルの選択方法
画面下部などにある入力欄に質問や指示のテキストを入力し、送信ボタンを押すとAIが回答を生成します。
入力欄の右にあるマイクマークをクリックすれば、音声入力モードが有効になります。パソコンのマイクを使って話しかけるだけでテキスト化され、AIがその内容に応じて回答します。英語だけでなく日本語の音声入力にも対応しており、タイピングが難しい場面でもスムーズに利用できます。

キャプション:ブラウザ版ChatGPTのプロンプトの投げ方
また、入力欄の上にはモデル選択メニューがあり、利用プランに応じてモデルを切り替えることが可能です。
②プロンプトに対する回答
送信後は、AIの回答がチャット形式で表示されます。
内容を踏まえて追加の質問を入力すれば、前後の文脈を踏まえた自然なやり取りが可能です。

キャプション:ブラウザ版ChatGPTの回答のイメージ
③ 新しいチャットと過去チャットの見方
画面左側のメニューから「 New Chat(新しいチャット)」をクリックすると新しい会話を開始できます。
これまでのチャット履歴も同じメニュー内に自動保存されるため、過去のやり取りを後から確認・再利用することも可能です。

キャプション:ブラウザ版ChatGPTの過去のチャットの見方と新規のチャットの作り方
アプリ版:スマホでの使用方法
ChatGPTは、iOSおよびAndroid向けの公式アプリからも利用できます。
基本的な操作はブラウザ版と同様で、アプリ版でも日本語での入力・応答に完全対応しています。
ここではスマートフォンアプリ版の画面をもとに、主な使い方を解説します。
① プロンプト(指示文)の入力とモデル選択方法
アプリを起動すると、画面下部にテキスト入力欄が表示されます。
質問や指示を入力し、送信ボタンをタップすることでAIが回答を生成します。
上部のモデル選択メニューから「GPT-4」「GPT-5」などを切り替えることも可能です(※有料プランのみ)。

キャプション:アプリ版ChatGPTのプロンプトの投げ方
② プロンプトに対する回答
送信後、AIの回答が画面に表示されます。
ブラウザ版と同じく、そのまま新しい質問を入力すれば、文脈を保ったまま会話を続けられます。

キャプション:アプリ版ChatGPTの回答のイメージ
ChatGPTで日本語を使用する時のコツ
ChatGPTを日本語で使いこなすためのコツにはいくつかあります。
AIへの質問の仕方を工夫する
生成AIを使う際に押さえておきたいポイントは次の3つです。
- ほしい回答を明確にする
- 回答の形式を例示する
- 回答内容を踏まえて追加質問を行い、精度を高める
ChatGPTを雑談やアイデア出しに使う場合は直感的な質問でも構いません。
しかし、業務文書の作成やリサーチなどビジネス目的で活用する場合は、質問内容を具体的にすることが大切です。
たとえば、「AIとは何ですか?」ではなく、「自社の○○分野でも活用したいので、AIの主要な活用分野の特徴を教えてください。文章形式で、専門知識がない人にもわかりやすい表現で300文字以内で説明してください」といったように、目的・条件・形式を明確に伝えると精度が上がります。回答内容を踏まえ、「具体的な活用事例を教えてください」といった追加質問も効果的です。
ChatGPT-5では指示構文(プロンプト)の理解力が強化されています。背景情報・ターゲット・文体トーンなどを指定することで、より狙い通りの出力が得られることが期待できます。
事前にデータを読み込ませてから質問する
ChatGPTは学習済みデータをもとに回答を生成しますが、最新情報は常に自動で反映されるわけではありません。
最新のGPT-5は2024年9月30日までの情報までが学習済みの内容です(2025年11月現在)。そのため、それ以降のニュースや製品情報などは、ユーザーが提示する必要があります。
最近発表された商品や社内資料をもとに文章を作成したい場合などは、事前にその情報を入力欄に貼り付けておくと、より的確な出力が得られます。同様に、企業紹介文やプレスリリース文の作成を依頼する場合も、商品概要・ターゲット層・訴求ポイントなどを先に共有しておくと効果的です。
参照元 : Model-OpenAI API
回答にどのような情報が必要か聞いてみる
質問に対する回答の精度が期待した水準に達していない場合には、ほかにどのような情報が必要なのかをChatGPTに聞いてみます。たとえば、質問の最後に「よりよい回答のために追加情報が必要な場合は教えてください」と追加したり、「メールの文章を作成してほしいです。どのような情報が必要ですか?」と聞いてみたりします。そのほかにも、ユーザーに必要な明確な回答(ゴール)をChatGPT自らが生成してくれるゴールシークプロンプトというプロンプトシステムを利用する方法もあります。ゴールシークプロンプトでは、林駿甫氏(生成AI活用スペシャリスト)が考案した「シュンスケ式プロンプト」などが有名です。
繰り返し質問をする
ChatGPTは1回の質問で完璧な回答を返すとは限りません。
回答をもとに追加の質問を重ねることで、内容を徐々にブラッシュアップしていくことが大切です。
たとえば、初回の回答に不十分な点があれば、以下のような追加質問をしていくことが有効です。
- もう少し専門的に説明してください。
- その理由や根拠はなんですか?
- 別の事例を教えてください。
- ターゲットを経営層に変更してください。
- 比較表を作成してください。
必要に応じてアプローチを変えたり、指示を段階的に与えたりすることで精度が向上します。
英語に翻訳してから質問する
ChatGPTは主に英語のデータで学習しているため、日本語の質問をうまく理解できず、回答の精度が落ちることがあります。このような場合、日本語を英語に翻訳してから質問すると、高精度な回答が得られる可能性があります。
まず、日本語の質問文を作成して、翻訳サイトなどで英語に翻訳し、英語の質問文をプロンプト入力欄に入力します。回答は英語で生成されるため、日本語で読むためには、もう一度翻訳する必要があります。
黒い丸や英語表記など、ChatGPTに日本語で質問するときに起きるエラーと対処法
日本語でChatGPTを使っていると、エラーが発生する場合があります。具体的には、回答が英語表記になる、回答が遅い、回答の生成中に止まる、日本の情報で回答されないといったことです。ここでは、上記四つのエラーやトラブルへの対処法を紹介します。
黒い丸が出て回答の生成中に止まる場合
ChatGPTの回答は、まとめて一気に表示されず、途切れ途切れになりながら順番に生成されます。回答の生成中は、ロード中であることを示す黒い丸「●」が文章の最後に表示されているため、表示が消えるまで待つ必要があります。
ただし、「●」が点灯したままか、生成途中で消えてしまい、回答が最後まで表示されないことが稀にあります。ChatGPTでは、処理できる情報量に上限があるため、質問や回答の文章が長いと、このエラーが発生する場合があります。
「●」が点灯中の場合には、処理途中の可能性があるため、少し待ってみてください。生成途中で「●」が消えてしまった場合には再度質問するか、「Regenerate」ボタンを押してみてください。
質問が複数ある場合には分割するか、文字数の上限を指定すると止まりにくくなります。また、ChatGPTが抽象的な質問を理解できないときにも、生成中に止まる現象がよく発生します。質問はできるだけ具体的にし、「続きを答えて」などと入力すれば、解決する場合があります。
回答が英語表記になる場合
日本語で質問したのに、英語で回答される場合には、あらためて「日本語で教えて」と指示すると、解決する場合があります。上述した通り、ChatGPTは日本語の質問には日本語で回答するように設計されています。ただし、何らかの理由によって英語で回答された場合には、ぜひ試してみてください。
回答が遅い場合
回答に時間がかかるというトラブルもよく発生します。この場合、日本語への翻訳に手間取っていることが理由だと考えられます。少し手間がかかりますが、先述したように質問を英語に翻訳してから入力すると、回答の生成が早くなる場合があります。それでも遅い場合には、デバイスの性能やネットワークの遅延など、システム外の問題を疑います。ハードウェアを更新したり、インターネットを高速なプランに変えたりすることも検討してください。
日本の情報で回答されない場合
ChatGPTは、日本語で質問すると、質問者の意図を汲み、質問者が聞きたいのは日本の話だと判断して、最適な回答を生成します。しかし稀に、日本の事例について聞きたいのに、英語圏の情報から回答を生成してくることがあります。
このエラーは、他国の情報を日本語に翻訳して回答していることから発生します。このエラーが発生した場合には「日本の場合は~」や「日本で~」などの前置きを質問文に追加すれば、解消される可能性があります。
ChatGPTを日本語で使う時の注意点
ここからは、ChatGPTを日本語で利用する際の注意点について解説します。
回答の正確性を確認する
ChatGPTでも間違った回答を生成することはあります。たとえば、事実とは異なる回答をしたり、作り話を本当のことのように回答したりといったことです。回答を鵜呑みにせず、正しいかどうかを質問者自身が確認することが大切です。なお、AIが事実ではない情報を生成することを「ハルシネーション(幻覚)」と呼びます。対話型AIに共通する問題であり、ChatGPTも同じ問題を抱えています。
最新の情報は反映されない
前述の通り、ChatGPTは、ある時期までの学習データから回答を生成しており、常に最新の情報を反映しているわけではありません。
GPT-5は2024年9月30日までの情報を学習しているとの公表はありますが、それ以降の出来事やニュース、統計データなどについては正確に把握していない可能性があります。
たとえば、法改正や市場トレンド、AIや投資など変化の早い分野では、一部の情報が古いまま出力される場合があるため注意が必要です。
正確な最新情報を得たい場合は、公式サイトや最新のプレスリリースなど信頼できる一次情報を参照したうえで、ChatGPTを補助的に活用するのが効果的です。
機密情報・個人情報を入力しない
ChatGPTでは、入力された質問を学習データとして利用しています。そのため、質問(プロンプト)として機密情報や個人情報を入力すると、漏洩につながる恐れがあります。ある企業では、従業員が機密情報に該当するソースコードや社内会議の録音データを入力してしまい、問題になりました。
ChatGPTに送信されたデータは、暗号化されたうえで外部サーバーに保存されるため、保存時の安全性は高く、問題はありません。ただし、上述した通り、ChatGPTは、質問を学習データとして利用するため、ほかの質問者からの質問に対する回答として、入力した機密情報・個人情報が利用されるおそれがあります。意図せずに重要な情報が流出してしまう可能性があるため、プロンプト入力欄には機密情報や個人情報は入力しないようにします。
ChatGPTでの情報の取り扱いが気になるようであれば、設定のデータコントロールタブから学習利用しないように変更することも可能です。有料プランのTeamやEnterpriseを利用している場合には、プロンプトは学習されません。
APIを使う場合、英語との消費トークン数の違いがある
API(Application Programming Interface)とは、異なるアプリケーションやソフトウェア、Webサービスをつなぎ、連携させるための仕組みです。APIを通じて、外部アプリケーションやサードパーティー製ソフトウェアの機能やデータを取り込んで、利用できるようにします。
OpenAIもAPIを公開しており、外部のアプリケーションやソフトウェア内でChatGPTを利用することが可能です。OpenAI のAPIは、従量制で課金されます。
課金単位は「トークン」(ChatGPTにおけるテキストデータの最小単位)で、日本語ではひらがな1文字でも1トークンを消費することがありますが、英語なら1単語が1トークン程度です。モデルによっても異なりますが、同じ内容を入力する場合でも、トークンの消費量は日本語の方が多くなる傾向にあります。日本語で利用する場合には、英語に翻訳してから質問する、プロンプトを簡潔にするなどの工夫で料金を抑えられます。
APIの詳細ついては以下の関連記事も参考にしてください。
https://www.cloud-contactcenter.jp/blog/what-is-chatgpt-api.html
まとめ
ChatGPTは、OpenAIが開発した生成AIであり、日本語にも高精度に対応しています。 ブラウザやアプリから簡単に利用でき、テキスト生成・要約・翻訳・会話など、多様な用途に活用可能です。
特に最新モデルのGPT-5では、理解精度・応答速度・マルチモーダル対応が向上し、業務効率化やカスタマーサポート分野での実用性が飛躍的に高まりました。
一方で、ChatGPTは常に最新情報を反映しているわけではなく、学習範囲外の内容はユーザーが補足する必要があります。
また、機密情報や個人情報の入力は避け、回答内容の正確性を必ず確認することが大切です。
日本語での質問の仕方やプロンプト設計を工夫すれば、ChatGPTはビジネスの強力なサポートツールになります。
安全性と精度の両立を意識しながら、業務の効率化やコミュニケーション改善に積極的に活用していきましょう
- TOPIC:
- 生成AI
- 関連キーワード:
- 生成AI
- 運用ノウハウ・ヒント






