電話業務の効率化に役立つクラウドPBXは、近年多くのサービスが登場しています。サービスによって機能や価格はさまざまなため、よく比較することが大切です。
本記事では、クラウドPBXを選ぶ際のポイントを紹介します。導入を検討される際には、ぜひ参考にしてみてください。
クラウドPBXで解決したい課題の一例
クラウドPBXを導入する際、「自社として何を解決したいのか」を明確にすることで、スムーズに目的に合った製品を選択できます。ここでは、まずどのような課題があるのか、一例を紹介します。テレワークに対応できる環境を整備したい、災害時のBCP対策を施したいなど、クラウドPBXを導入する目的はさまざまです。
1. BCP対策を施したい
コンタクトセンターでは、災害時など非常事態に直面した際、早期に復旧をめざすBCP対策が不可欠です。従来PBXの機器は、各オフィス内に設置されているのが主流でした。しかし、それでは災害などが発生した場合に機能しなくなるおそれがあります。
クラウドのPBXでは、基本的に復旧作業は不要です。使用可能な別拠点への転送も容易であるため、柔軟に対応できます。
2. 多目的に使用したい
BCP対策以外にも、ビデオ通話やチャットなど、ビジネスにおける通信ツールなどとして使いたい場合、1つの機能に特化したPBXでは目的を果たせないかもしれません。そのようなケースでは、さまざまな目的に対応できるクラウドPBXのサービスを選ぶのもひとつの手段です。多目的なサービスであれば、従来型のPBXと同様の機能をクラウド上で利用できるメリットがあります。
3. テレワーク対応にしたい
クラウドPBXならスマホやPCといったさまざまなデバイスを内線化できます。場所やデバイスにとらわれることなく、直接お客様と電話のやりとりが可能です。管理工程の煩雑な社用携帯電話を用意せずに済むほか、転送の手間をなくしリスクを回避できるため、生産性や顧客満足度の向上にもつながります。
4. 電話業務を効率的にしたい
ヘルプデスクやコンタクトセンターでは、限られた人員で日々膨大な電話数に対応しなければなりません。
電話業務を効率化したいといった課題を解決するためにも、クラウドPBXは選ばれています。たとえば「CTI機能」は、誰から電話がかかってきたのかを画面上に表示させられるのが特長です。電話番号や名前、応対履歴といった情報を表示でき、対応時間の短縮や顧客満足度の向上が期待できます。
5. 新しく電話環境を構築したい
新たに拠点を増やす場合には、電話環境の見直しも不可欠です。クラウドPBXなら、わざわざ物理的に新設工事などをしなくて済みます。早期に低コストで電話環境を構築したいといった要望をかなえられます。
【課題別】クラウドPBXおすすめ5選
クラウドPBXを導入する目的は一律ではなくさまざまです。そのため、解決する課題に応じてどのクラウドPBXのサービスを選べばよいかと迷ってしまうかもしれません。
ここでは、先に述べた課題と照らし合わせながら、おすすめのクラウドPBXを5つ紹介します。どのサービスが自社の課題を解決してくれるか悩んでいる場合は、ぜひ参考にしてみてください。
BCP対策:Arcstar Smart PBX
- サービス名:Arcstar Smart PBX
- 特徴:NTTコミュニケーションズのクラウドPBXです。
スマホやタブレット、PCなどを内線化したり、社外からかかってきた電話をどこにいても直接受けられたりするため、とくにBCP対策を重視している企業におすすめです。業務で従業員のスマホを利用する場合、通話料金は会社に自動一括請求されるため、コスト削減や運用の効率化も可能です。 - 料金:初期費用は1万円、月額料金は契約基本料が1契約につき5,000円、ID利用料が1IDにつき500円です。
多目的用途:BellCloud+
- サービス名:BellCloud+
- 特徴:コンタクトセンター業界の先駆け的存在である、ベルシステム24のクラウドPBXです。最大9,000席まで拡張可能で、企業規模を問わず利用できます。
自動応答やVOC分析、感情解析など、基本的な機能から先進テクノロジーを採用した機能まで、コンタクトセンター業務の効率化を実現できる機能が実装されています。複数の利用ニーズがあるときには多目的用途のBellCloud+がおすすめです。 - 料金:初期費用や月額料金は、契約内容により変わります。従量課金制のほか、契約席数で決まる固定料金制もあります。
テレワーク対応:モバビジ
- サービス名:モバビジ
- 特徴:モバビジはクラウドテレコム株式会社が提供する新しいビジネスフォンシステムです。クラウドテレコムのクラウドPBX、NTT東日本・NTT西日本の「ひかり電話」、IP電話機を組み合わせることで、スマートフォンを使って会社の外線や内線を使えるのが魅力です。グループ発信や音声ガイダンス、通話録音といった豊富な機能も使えるため、テレワークに対応したい場合など幅広いシーンで活用できます。
- 料金:初月の月額費用は0円です。その後、月額料金はクラウドサーバー基本料が500円、クラウドサービス利用料が1台につき350円と安く運用できます。
業務効率化:BIZTEL ビジネスフォン
- サービス名:BIZTEL ビジネスフォン
- 特徴:株式会社リンクとブライシス株式会社が共同運営している、クラウド型IPビジネスフォンサービスです。利用者数が増減しても対応可能で、PCやスマホを社用電話として活用できます。通話録音や音声認識・テキスト化など、オプション機能が充実しているため、業務効率化につながります。
- 料金:費用は小規模から大規模まで、契約プランに応じて異なります。内線番号数40の「ライトプラン」は、初期費用が5万円で月額利用料2万1,000円、内線番号数100の「スタンダード50プラン」は、初期費用が50万円で月額利用料は13万5,000円です。
新規導入:03plus
- サービス名:03plus
- 特徴:株式会社グラントンが提供している、スマホで固定電話番号を扱えるアプリです。固定電話番号を取得した後、アプリなどにIDを付帯させ、各IDで全国どこでも「03」から始まる電話番号を利用できます。内線や転送電話、留守電、パーク保留、通話録音、無料のグループ間内外線、10分間かけ放題、営業時間外の自動応答など、ビジネスフォン機能が豊富であることが魅力です。
- 料金:初期費用・基本料金が0円でスタートできるプランのほか、初期費用5,000円で月額980円の月払いプランがあります。年払いプランでは、初期費用が3,800円で基本料金が年額1万1,760円です。
導入前に押さえておきたいクラウドPBXの選定ポイント
クラウドPBXを選ぶ際には、次のようなポイントを押さえておきましょう。
▼選定時のポイント
- 導入先の事業規模
現在の規模だけでなく、今後の事業拡大にも備えられるかどうかをチェックしましょう。 - サポート体制
万一の際にどのような支援を受けられるのか確認しておきましょう。 - CTIシステムの利用可否
CTIが使えると、誰からの電話なのかをポップアップ表示されるため、スムーズな受け答えが可能になります。 - 通話品質
通話品質がよいと、お客様からの印象もよくなります。 - 無料トライアルの有無
本契約の前にお試しができるのも、物理的なPBXの設置が不要なクラウドPBXならではのメリットです。
まとめ
コンタクトセンターが抱える課題は多岐にわたります。たとえば、BCP対策を強化したい、電話業務をテレワークに対応させたいといった課題がよく見られます。そのため、クラウドPBXのサービスを導入するにあたっては、どのような課題を解決できるのかしっかり確認しておくことが大切です。クラウドPBXのメリットを最大化するためには、多目的なサービスを選んでおくのもひとつの手です。
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