今更聞けない、「VOC分析」をまるごと実現する
テキストマイニングとは
2022.12.05 2024.12.27 山崎 幸那 氏
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2022.12.05 2024.12.27 山崎 幸那 氏
顧客との重要な接点であるコンタクトセンターでは、日夜「顧客の声=Voice of customer(VOC)」が蓄積されています。
VOCを分析し利活用することで製品サービス改善を行い、顧客満足度を向上させる…といったフレーズは業界を問わず定着化していますが、その一方で「実はほとんど手を付けていない」「年に一回、サンプルで集計を取るだけ」といった企業も少なくありません。
VOC活動で取り残されないためにどうするべきか、本記事では前準備からテキストマイニング運用までの流れを解説します。
VOC分析を行う前に、まず用意すべきは「顧客の声を含むデータ」です。
応対履歴、通話ログ、チャットログなど、コンタクトセンターで収集されるデータが対象となりやすいのですが、分析するにあたりそれぞれメリット・デメリットがあります。
① 応対履歴
② 通話ログ
③ チャットログ
分析難易度は、応対履歴<チャットログ<会話ログの順で高くなりますが、その分得られる情報も多くなるため、まずは応対履歴から開始して段階的に対象データを切り替える事をお勧めします。
まず応対履歴から着手する場合、分析対象となるフリーテキスト欄だけでなく、属性情報も用意すると良いでしょう。
属性情報とはそのデータを補足する、日付、利用中の製品・サービス名、地域名などを指します。
これらの属性情報があれば、分析により発見したVOC話題の特徴を捉えやすくなります。
特に日付は重要であり、その話題がいつ発生したのか、突発性のものか継続性があるのかで話題の捉え方も変わります。
VOC分析を定常的に行うためには、テキストマイニングツールの導入が欠かせません。
100件程度のデータであればExcel等で集計することも可能ですが、10,000件を超すと目検では対応しきれず、担当者ごとの判断に頼るため分析の方針も定まりません。
今回はテキストマイニングツール「VextMiner」を例に、分析作業の流れをご紹介します。
テキストマイニングツールで主に行う作業は以下の通りです。
大量のデータの中には多種多様な話題が含まれ、VOCに直接関わるもの、顧客情報などの補足的なもの、窓口の対応を示すものなど、ばらつきがあります。
まずは①話題のグルーピングを行うことで、自動的に類似話題をまとめ、「対象窓口ではどんな主要話題が発生しているのか」を俯瞰する必要があります。
これにより、どの話題が分析上重要で、どの話題が不要なのか、全体と比較して判断することができるようになります。
ただし同じ話題であっても全く異なる表現が用いられるケースも少なくありません。
そのため、②分類定義(ルール)の設定を行うことで、システム側の話題判定を補助することができます。
話題が精緻に分類できるようになった後、グラフ化を行い、属性情報を用いて③クロス分析を行います。
この結果から、時系列変化や地域別の話題傾向などを発見し、より具体的な課題抽出に役立てる事ができます。
他に比べ件数が突出している、またはとある時期や地域に発生している話題を見つけた後は、④深掘り分析で関連話題を可視化します。
これにより、「〇〇という意見を述べる背景に、△△が深く関係している」といった状況把握を行います。
主要な話題傾向だけでなく、⑤少数意見分析も重要です。
まだ数件の話題だけを取り出して上昇意見に絞り込めば、「未知のニーズ、クレーム」を早期に発見できるようになり、ビジネスにおいて先手を打つことが可能となります。
このように網羅的に分析できるだけでなく、担当者の部署異動にも左右されない定常運用を実現できる点で、テキストマイニングツールの導入はマストと言えます。
分析作業をテキストマイニングツールで行った後、その結果を社内で共有する必要があります。
例えば月次でレポートを作成してメール送付する、社内の共有サーバーに置くなどの展開方法がありますが、これにはいくつかの課題が含まれます。
課題①:レポートを作成する工数がかかる
課題②:せっかく作成したレポートが読まれない
課題③:読み手のタイミングによって、情報の鮮度が変わってしまう
せっかくテキストマイニングツールを使用して分析作業を効率化しても、上層部や他部署が求める結果をまとめていった末に、数十ページに及ぶ大作ができてしまい、作成に1週間かかってしまった…というケースも耳にします。
また、苦労して作成したレポートは会議の場ではサマリーのみ読み上げ、共有サーバーに置かれた資料は手つかず、やっと読んで貰えた時には古い情報となってしまっている…となれば、分析担当者のモチベーションを保つことは難しいでしょう。
テキストマイニングツールには分析機能だけでなく、分析処理の自動化、結果の自動共有という機能を持つ製品も存在します。
「VextPortal」では自動処理された分析結果をポータルサイトに自動的に反映・更新することで、リアルタイムに全社共有を行います。
アカウント単位で閲覧範囲を設定できるため、部署や役職ごとに適切な情報提供を可能とします。
また、サイト画面上には関連資料やコメントを掲載することで、グラフだけでは伝えきれない「次のアクションに繋がるヒント」を共有することもできます。
VOCは宝の山と呼ばれ、経営の指針となる重要な情報ではありますが、「今後の検討材料として」「プロジェクトの裏付けとして」だけでなく、すぐに利活用できる情報でもあります。
今コンタクトセンターで重要視されているのが「ナレッジ(知識)」です。
在宅化が進みチャネルも多様化する中で、顧客の自己解決力を支え、SVのサポートがなくともオペレーターが高品質の応対を提供できるようになるためには、FAQやトークフローなどの知識の拡充が喫緊の課題となっています。
VOCはお客様が不明・不満とする声を多く含むため、「何が分からないのか?」「本当の課題はどこにあるのか?」を抽出し、そこからナレッジ化につなげる事に適した情報と言えます。
最新のテキストマイニング技術を用いた「Vext知識+」では、話題の自動グルーピングだけでなく、重要度の判定やQA候補となる話題を選出する、話題の文脈(トークフロー)を抽出するなど、より複雑で利用価値の高いナレッジを生成することが可能となりました。
これらはHP上に掲載するよくあるお問合せだけでなく、チャットボットの回答知識や、オペレーターのマニュアルへの反映など、様々なシーンで活用が望めます。
また、「解約を阻止した通話」に絞り込んで成功パターンを発見するなど、単なる質疑応答に留まらない“知識”を得られることも特徴です。
VOCは宝の山である一方、「どんな情報を得たいのか?」を考えた上で、データの選択から始める必要があります。小規模から始め、徐々に高度化を行いながら、継続的な運用を目指していきましょう。
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