ヘルプデスクとは?仕事内容や必要なスキル、社内SEとの違いを含めて解説

 2021.11.02  2024.04.24

顧客や従業員からの問い合わせ対応を行うヘルプデスク。何となく聞いたことはあっても、具体的な業務内容や必要な知識についてまでは知らない人も多いかもしれません。ヘルプデスクは企業やサポート対象によって対応範囲が異なるため、就職を検討中であれば、業務内容の把握がとても大事です。この記事では業務内容、混同されやすい社内SEとの違いについて説明します。

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ヘルプデスクとはどんな職種?

ヘルプデスクとは、顧客または社内からの問い合わせ(製品の使用方法・トラブル・クレーム)に対応する職種です。コールセンターのように電話を使った対応から、メール、チャットを使って、寄せられた疑問などを解消していくことを業務とするため、人とのコミュニケーションを多く取る職種と言えます。

ヘルプデスクの業務はこのように、「自社の製品・サービスの提供に対して、これをフォローする形で機能するもの」です。製品・サービス提供というメイン業務のサポートを目的とする、「縁の下の力持ち」としての業務です。
こうしたヘルプデスクの役割は大きく、効率的な企業活動のためには、質の高いヘルプデスクの設置が必要です。そのため、ヘルプデスク向けにスタッフを育成したり、アウトソーシングしたりする企業もいます。

なお、比較的未経験者の求人も多くなされる職種ですが、一般的には、大きな年収が得られるわけではない職種です。そのため企業側は、派遣従業員などを雇い、対応することも多いです。

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ヘルプデスクの仕事内容とは?主な業務の例を紹介

ヘルプデスクの実際の業務内容を詳しく理解するため、主な例を挙げていきます。担当スタッフの視点から、業務内容を整理して理解していきましょう。

1つは「問い合わせ対応」です。電話やチャット、メールなどから質問を受けた担当スタッフは、素早く、的確な情報を伝えなくてはなりません。言葉遣いや言い方には配慮が必要です。特に社外対応では、ヘルプデスクの対応が企業イメージを左右することにもつながるため、情報を正確に伝えるのみならず、対応の方法にも気を配らなければなりません。

またテクニカルサポートの側面もあり、自社製品・サービスについての技術的問題への対応力も求められます。チャットツールなどで、マニュアルや画面キャプチャを提示するなどして、相手方の疑問が解消されるように的確な情報を伝える場合も多いでしょう。さらに、パソコンのリモート操作によって、早急な対応を行うこともあります。
ただ、かなり専門性が高く迅速な解決が難しいケースもあります。その場合には関係部署に引き継ぐなどして、折り返し連絡などの対応を図ることになります。社内のスタッフ数が十分にいない場合にはヘルプデスクの業務内容も幅広くなるため、やはり技術的・専門的な問い合わせに関しても、ある程度対応できる知識・スキルを身に付けておかなければならないでしょう。

社内ヘルプデスク・社外ヘルプデスクの違いとは

社内・社外、どちらに向けて対応するのかによってヘルプデスクの役割は異なります。

社内ヘルプデスクは、自社のスタッフからの問い合わせへの対応が主な業務です。情報システム部門に設置されることが多く、社内システムや導入したITツールに関する技術的な質問が投げかけられます。
大きな企業ほど社内向けヘルプデスクが設置されることが多く、技術面のほか、例えばインターネットへの接続、パソコンのセットアップ、プリンタの設定といった、基本的な使用方法も任せられることになります。また企業によっては、社内ヘルプデスクをアウトソーシングすることもあります。

一方、社外ヘルプデスクは顧客を含む社外からの問い合わせに対応します。自社製品・サービスの使用方法やそのほかの質問、トラブル・クレームへの対応が主な業務です。こちらも、アウトソーシング可能なほか、最近ではチャットボットを使って簡単な疑問を解消するケースも出てきています。

ヘルプデスクと社内SEの役割はどう違う?

社内ヘルプデスクと社内SEは混同されやすい職種です。実際、重複している業務も多く、明確に区別されていないケースもあります。

しかし、あくまでも社内SEは社内のシステムエンジニアであって、ヘルプを第一に担っているわけではありません。社内システムなどの開発や保守、システムに関する企画から設計などをメインの業務とし、場合によってはIT戦略など、経営との関わりが強い業務を担うケースもあり、より高い技術力・専門性が求められます。
一方ヘルプデスクスタッフはシステムの立ち上げ自体には関わらず、その後のエラーへの対応や、バックアップ作業に携わります。そのためある程度の技術力は必要ですが、その水準も範囲も異なります。「完成した、既存となったシステムやITツール」などに対して知識を深め、円滑な運用を支える役割を担うことが、ヘルプデスクスタッフの役割です。

大企業では、ヘルプデスクと社内SEとをそれぞれ別に設け、上記の違いに即した形で運用されているケースが多いです。つまり、ヘルプデスクには問い合わせやトラブルの対応を、社内SEにはシステム開発業務を行わせるのです。
ただ、中小企業だとどちらも同じ機関として構成されているケースも多いでしょう。人員が限られているということもあり、この場合には問い合わせ対応からシステムの開発まで広範に業務をこなさなければなりません。

ヘルプデスクに求められるスキル・知識とは?

ヘルプデスクの業務をこなすためには、基本的なPC操作やIT知識・技術を前提に、高いコミュニケーション能力が必要です。
相手方が気分を害さないようにやり取りする力に加え、複雑な情報をかみ砕いて説明できる能力も必要です。

さらに、基本的なビジネスマナーや、トラブルに対して冷静かつ臨機応変に対処する力も求められます。エンジニアには特化した技術力が必須ですが、ヘルプデスクスタッフにはより幅広いスキルが必要となるのです。
また、英語圏を商圏にする場合にはもちろん、国内向けにサービスを展開している場合でも英語スキルは重要です。グローバル化の進む昨今においては、英語対応ができることで業務の幅を広げられます。

今後ヘルプデスクに従事したい方はこれらのスキルの習得に取り組みましょう。また企業経営者側は、このようなスキルをスタッフに習得させるため、必要な教育・研修制度など体制を整えていくことが重要です。

ヘルプデスクの仕事に向いているタイプの人材

直接人と関わる業務ですので、人とのコミュニケーションにやりがいを見出せる人が向いています。また、理不尽なクレームを言われても冷静に対応できる人も適任でしょう。相手から要領を得ないことを述べられても焦らず、感情的にならず、理路整然と必要な情報を伝えなければならないからです。
好奇心旺盛で、新たな知識を習得すること、勉強が苦でない方も向いていると言えます。わからないことや困っていることを解決しなければならず、常に勉強し、豊富な知識を備えることが大事だからです。

コロナ禍の今、ヘルプデスクに求められる要素とは?

新型コロナウイルスが流行し、さまざまな業界、職種で変化が求められています。ヘルプデスクも例外ではありません。
コロナ禍では特に、スタッフの安全確保と企業活動の継続を両立させることが重視されます。そこで、企業経営者には、ヘルプデスクにもツールを導入するなど「適切なテクノロジーの導入」が求められています。そしてそうしたツールを活用しつつ、高いクオリティのサービスを提供し続けていく「変化への対応力」が、現場スタッフには求められているのです。

経営者側としては、リモート環境でも効率的にヘルプデスクが機能するよう自社に適したツールを選定しましょう。もちろんセキュリティなどにも配慮が必要ですが、それらを扱う現場の声もしっかりと聴き、スタッフが仕事をしやすいツールを選ぶことが重要です。「ヘルプデスクスタッフと共に、社会のDX推進の流れに乗っていける環境をつくっていく」という意識を持てば、スムーズなツール選定につながるでしょう。

環境変化を単にネガティブに捉えるのではなく、さらなるサービス向上に直結する機会と捉え、ぜひ顧客もスタッフも満足度の高いヘルプデスクを構築していってください。

まとめ

ヘルプデスクは顧客や社内から寄せられた疑問の解消、トラブル解決を図り、企業のメイン業務をサポートする役割を担います。また社内SEとは異なり、システムの立ち上げ・開発や立案自体には携わりません。
社外向けのヘルプデスクであれば特にコミュニケーション能力が求められ、臨機応変に、冷静に対応できる力が重視されます。これからヘルプデスクで従事したいと考えている人は、社内外どちらを対象としたヘルプデスク求人に応募すべきか、応募先の企業では社内SEと社内ヘルプデスクの区別がなされているか、といったところに着目しましょう。

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