顧客対応の高品質化やスタッフの負担軽減を実現したいと考えているのであれば、コミュニティサイトの構築・運用を検討しましょう。コミュニティサイトの構築は、企業にさまざまなメリットをもたらします。本記事では、コミュニティサイトの概要や、企業が構築するメリットなどを解説します。
コミュニティサイトとは
コミュニティサイトとは、共通の目的や嗜好をもつユーザー同士が、情報交換や交流を行えるWebサイトのことです。身近な例を挙げると、TwitterやFacebookなどのSNS、企業が運営している会員制サイトなどが該当します。
近年では、コミュニティサイトをビジネスに活用する企業が増えつつあります。例えば、森永製菓は「エンゼルPLUS」というファンサイトを、カゴメは自社製品のファンがレシピの投稿や共有を行えるコミュニティサイト「&KAGOME」を運営しています。
参照:https://ap.morinaga.co.jp/
参照:https://and.kagome.co.jp/
さまざまな業界の企業がコミュニティサイトの運営に力を入れている理由は、多大なメリットを得られるためです。顧客と良好な関係を構築・維持することに役立つほか、ブランディング強化やユーザー対応の品質向上などの面でも活用できます。
コミュニティサイトの種類
コミュニティサイトには、さまざまな形態があります。TwitterやFacebookなどのSNSをはじめ、日記形式で情報を発信できるブログ、ユーザーが自由に書き込みできる掲示板、オンラインサロンなどが代表的です。
SNSは、オンライン上でさまざまな人とつながれる点が魅力です。また、共通の目的や嗜好を持つユーザーに訴求できるため、新規顧客の獲得にも活用できます。ブログや掲示板は、ボリュームの大きなコンテンツの発信に適しており、投稿した内容に対してユーザーからコメントの形でフィードバックが得られます。例えば、新たに開発しようとしているサービスをテーマに記事を投稿すれば、そこへ得られたコメントからユーザーのダイレクトな意見を把握でき、サービスの開発や改善に役立ちます。
オンラインサロンは、インターネット上の会員制コミュニティです。クローズドな空間でコアなファンに情報をダイレクトに提供できたり、ファン同士が交流する場を作れたりするメリットがあります。これにより、ブランディング強化や顧客エンゲージメントの向上などが望めます。
これらの中から、自社に適した形態を選択することが重要です。顧客層や業種、提供する商品・サービスの種類などに応じて、適した形態を選択しましょう。
コミュニティサイトを企業が構築するメリット
コミュニティサイトを開設してビジネスに活用したいと考えている場合、まず具体的にどのようなメリットを得られるのかを把握しておかなければなりません。主なメリットとしては、マーケティングに役立つこと、ユーザー対応の品質が向上できること、負担軽減を狙えることが挙げられます。
マーケティングに役立つ
コミュニティサイトを活用することで、新規顧客の獲得につなげられます。コミュニティの中で既存ユーザーがポジティブな情報をやり取りしており、アクセスした新規ユーザーが商品やサービスに興味を抱く可能性があります。
また、コミュニティのメンバーに対して優先的に手厚いサポートを行ったり、特典を付与したりすることで、既存顧客の囲い込みも可能です。自社に対し親近感を抱いてもらい、商品やサービスに愛着を持ってもらえるほか、ブランディングの強化にも役立ちます。
新たな商品の開発や、サービスの改善に役立つのもメリットです。ユーザーから得られたダイレクトな意見や感想を、商品開発や改善に反映できます。
ユーザー対応の品質向上や負担軽減につながる
コミュニティサイトに「FAQ(よくある質問)」のようなコーナーを設けておくことで、ユーザーは求める情報を自ら取得することが可能です。また、掲示板を設置することによって、ユーザー同士が自由にやり取りできるため、そこで問題を解決できることも期待できます。企業側は対応の頻度を減らせるため担当者の負担が軽減でき、ユーザーはコミュニティ内で課題を解決できるという双方にとってメリットが生じます。
もし自己解決できなかった場合でも、コミュニティサイトにコンタクトセンターへのリンクを設置しておくことで、ユーザーをスムーズに問い合わせ先へ誘導できます。コンタクトセンターから1対Nでの対応が可能となり、サポートサービスの強化につながります。
コミュニティサイトを運営するにあたっての注意点
企業のコミュニティサイト運営には多くのメリットがある一方で、いくつかの注意しておくべきポイントがあります。ここではその中から、「サイト構築にリソースが必要である」「長期的な視点が必要である」ことの2点をピックアップして解説します。
リソースが必要になる
コミュニティサイトの構築には、少なからずリソースが発生します。サイト構築の費用はもちろん、運営にも継続的に人的リソースが必要です。
コミュニティサイトを安定的に運営するには、管理体制を整えなくてはなりません。コンテンツの更新やユーザーとのやり取りといった作業が発生するため、その分のリソースを用意する必要があります。投入したリソースを必ず回収できるとは限らない点にも注意が必要です。
長期的な視野も必要になる
コミュニティサイトを開設しても、すぐに思うような成果は得られないかもしれません。コンテンツの作成に時間がかかるだけでなく、開設後にはユーザーに認知してもらわなくてはならないからです。
短期的な成果を期待していると、思うような成果を得られなかったときに頓挫してしまうおそれがあります。ユーザーやコンテンツを増やすにはどうしても時間がかかるため、長期的な視点で取り組むようにしましょう。
コミュニティサイトの作成方法
自社にITやWeb制作に精通した人材がいるのであれば、コミュニティサイトの内製が可能です。そうでない場合は、外部に作成を依頼したほうが無難です。それを踏まえた上で、コミュニティサイトの主な作成方法を以下にピックアップしました。
スクラッチで開発する
スクラッチ開発とは、ゼロベースから作成する方法のことです。自社が求めるデザインや機能を余すことなく盛り込むことができ、理想的なコミュニティサイトを作成できます。
ただし、スクラッチ開発には高度かつ専門的な知識や技術が求められます。自社で専門人材を確保できないのであれば、外部の事業者に作成を委託したほうが無難です。
外部の事業者に作成を委託する場合、多額の費用が発生する可能性がある一方、短期間でスムーズに開発でき、満足のいくクオリティのサイトに仕上がります。
パッケージ(ASP)で開発する
ASPとはApplication Service Providerの略であり、ソフトウェアやシステムの稼働環境を提供するサービスを指します。コミュニティサイトを構築できるASPであれば、あらかじめ整備された環境でサイト構築を行え、スクラッチ開発ほどの知識や技術も要しません。
ASPであれば、あらかじめ実装されている基本機能に加え、オリジナル機能を追加できます。ゼロベースから開発するスクラッチに比べてコストを抑えやすい点もメリットです。
ASPの種類によってカスタマイズの自由度が異なる点に注意しましょう。より理想に近いコミュニティサイトを構築したいのであれば、カスタマイズ性に優れたASPの利用がおすすめです。また、コミュニティサイトでは、ユーザーの個人情報を扱うことも多いため、ASPのセキュリティ水準もチェックしなくてはなりません。
既存サービスを利用する
既存のSNSやCMSなどのサービスを利用する方法もあります。SNSは、TwitterやInstagramといったオープンなものから、FacebookやLINE公式アカウントといった比較的クローズドなサービス、YouTube公式チャンネルやTikTokのように動画を活用するものなど、多くの種類があります。大手企業を中心にSNSで情報発信する企業は多く、ファン獲得のツールとして主流になりつつあります。一方で、運用ノウハウをしっかりと構築しなければ、いわゆる「炎上」を起こしてしまいかねません。また、機能や運用条件などはSNSのプラットフォームに依存するため、柔軟性が低いというデメリットもあります。
自由度の高いコミュニティサイトを構築したい場合は、CMS(Contents Management System:コンテンツ管理システム)を利用する方法もあります。CMSの代表格であるWordPressであれば、豊富なテンプレートとプラグインを活用して、デザイン性と機能性に富んだコミュニティサイトの作成が可能です。また、商用のCMSであれば、有料ではあるものの比較的容易に自由度の高いコミュニティサイトを構築でき、ベンダーからのサポートを受けられるケースも少なくありません。
まとめ
コミュニティサイトの構築により、顧客の囲い込みや関係維持、顧客サポート対応の品質向上などのメリットが得られます。この機会に、コミュニティサイトの開発と運用を検討してはいかがでしょうか。
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