サブスクリプションサービスは、いわゆる「定額制」と同じ意味を持ち、月額料金を支払うことで一定期間サービスを利用できるビジネスモデルです。近年は多くの分野が参入しており、知名度も高まっています。本記事では、サブスクリプションのメリットやデメリットを提供側とユーザー側に分けて解説した上で、実際のサービス例も紹介していきます。
サブスクリプションとは
サブスクリプションとは、「料金(対価)を支払い、一定期間サービスを利用する」というビジネスモデルです。新聞などの「定期購買」や、化粧品やサプリメントなどの「定期購入」と同じ意味合いを持ちます。
サブスクリプションは月額料金を支払い、音楽や動画の視聴サービスを利用するなど、デジタル分野で広まりました。ただ近年は、洋服や車、食品、花など、デジタル以外の分野でもサブスクリプション型のビジネスモデルは浸透してきています。「サブスク」とも呼ばれ、人気も知名度も確実なものになりつつあります。
サブスクリプションのメリット
サブスクリプションビジネスモデルを採用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、サービス提供側とユーザー側に分けて、それぞれのメリットを見ていきます。
サービス提供側のメリット
サービス提供側の大きなメリットは、継続して収益を得られることです。単純に定額料金に対するユーザー数が売り上げとして計算でき、継続的な契約であるため収益の予測も立てやすくなります。
また、ユーザーの利用履歴を収集・分析しやすく、おすすめのサービスを案内するなど、満足度向上につながる施策を行うことも可能です。フィードバックも得やすいため、サービス改善に役立つでしょう。
ユーザーを獲得しやすいという点も大きなメリットです。近年のサブスクリプション型ビジネスモデルでは、多くのサービスで「新規の場合は2カ月無料」などのキャンペーンを行っています。お試しで利用できる期間を充実させると、新規ユーザーが加入するハードルを低くできるでしょう。
ユーザー側のメリット
ユーザー側の大きなメリットは、低コストで利用を開始できる点です。月額制であるため初期費用を低額で抑えられ、無料のお試し期間があるサービスでは、さらに利用開始のハードルが下がります。また、不要になったらいつでも解約できることもユーザーにとっては魅力的です。
「モノ」を自分で所有することなく、サービスを楽しめる点もメリットです。例えば、音楽配信サービスでは、CDを購入しなくてもその音楽をいつでも楽しめます。家具や洋服のサブスクリプションなら、一定期間が過ぎれば返却するため、モノが溜まったり、処分する手間がかかったりすることもありません。「ミニマリスト」や「断捨離」といったワードも聞かれるようになった昨今は、消費者の価値観も変化しており、サブスクリプションはそういったユーザーのニーズに合致しています。
サブスクリプションのデメリット
多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。ここでもサービス提供側・ユーザー側に分けて、それぞれのデメリットを確認していきましょう。
サービス提供側のデメリット
サブスクリプションは、認知されるまで利用者が少ないままです。また、サブスクリプションサービスを開始するにあたり、先行投資も必要です。利益獲得までに時間がかかるため、忍耐強く取り組むことが求められます。
解約リスクが高いことも大きなデメリットでしょう。これはユーザー側のメリットである「解約のしやすさ」とトレードオフの関係にあり、継続利用を想定している提供側にとっては大きな問題です。できるだけユーザーに継続利用してもらうためには、ニーズを把握し魅力的なサービスを提供できるよう、改善を重ねていく必要性があります。
ユーザー側のデメリット
利用開始のハードルが低いことから、サービス内容を吟味せずに開始し、不要なサービスに対しても料金を支払っているケースがあります。そして、加入しているサービスを全く利用していない月も料金が発生するため、利用頻度によっては割高になる可能性もあります。
また、「買い切り型サービス」とは異なり、動画や音楽の配信サービスでは解約後に一切利用できなくなります。再度利用を開始する際には、新たに登録手続きが必要なことや無料サービスが使えないこともあるため、ユーザーにとっては大きなデメリットです。
サブスクリプションのサービス例
近年、多くの分野でサブスクリプションのビジネスモデルが展開されています。代表的なものとしては、音楽や動画の配信サービス、自動車のレンタルサービス、ソフトウェア提供サービスなどが挙げられます。
音楽や動画の配信サービス
月々の定額料金を支払うことで、幅広いジャンルの音楽や動画作品が聴き放題・見放題になるサービスです。この分野のサブスクリプションでは、無料期間を設けていることが多く、加入のハードルが低くなっています。
登録したサービスによってはオフライン再生が楽しめるなど、ユーザーがすぐに解約しないよう工夫されています。主に世界的企業がこのサービスを提供しており、オリジナルコンテンツの充実やテレビの見逃し配信、ジャンルに特化した作品を充実させるなど、それぞれが差別化を図っているのも特徴です。
自動車のレンタルサービス
自動車のレンタルサービスは、近年注目されているサブスクリプションです。家に次ぐ高級消費財である車のサブスクリプションは、「所有から利用」に向かう時代のニーズに合ったビジネスモデルとも言われています。
定額料金を支払えば新車に乗ることができ、なおかつ乗り換えもできるという柔軟性も、このサービスが注目されているポイントです。車の所有による税金や車検代の負担が減らせるなどのメリットもあり、車を持つことのデメリットを逆手に取ったサービスとして、今後も大きく成長していくと見られています。
ソフトウェア提供サービス
定額料金を支払い、ソフトウェアを一定期間利用できるサービスです。アップデートやサポートなどもサービス提供側が行うので、常に最新の機能を利用できるのが特徴です。大手企業が提供するものでは、複数のソフトウェアがまとめて利用できるサービスもあり、近年は個人・法人を問わず多くのユーザーが活用しています。
サブスクリプションサービスには顧客維持のためのコンタクトセンター設置が有効
サブスクリプション型サービスは、継続的に収益を得ることが可能で、新規顧客の獲得にもメリットがあるビジネスモデルです。ただ、ほかのビジネスモデル以上に顧客との継続的な関係性が重要であり、顧客接点の拡大や顧客満足度の向上も必須になります。
多くの顧客にサブスクリプションを継続してもらうには、顧客のニーズを把握することが重要です。そのためには、顧客情報の収集や管理、分析をし、顧客のニーズに合ったコンテンツを常に提供し続ける必要があります。そこで求められるのが、顧客の声を直に受け取れるコンタクトセンターの設置です。
顧客との関係性の強化には「カスタマーサクセス」を実現させることが大切です。カスタマーサクセスとは、「顧客の成功」を意味し、顧客の問題解決に向けて積極的なサポートを行うことで実現に導きます。コンタクトセンターを設置し、効果的に運用することで、カスタマーサクセスの実現が期待できるでしょう。そしてコンタクトセンターによって、サブスクリプションのデメリットとされている解約率を下げることも可能です。
まとめ
サブスクリプションサービスでは、顧客と継続的に良好な関係を築くことが大切です。そのためには、コンタクトセンターの設置が有効であり、カスタマーサクセス実現のため、効果的に運用する必要があります。
ベルシステム24では、サブスクリプションサービスのように環境変化の速いビジネスにも柔軟に対応できるソリューションを用意しています。
効果的なコールセンターの運用を目指すなら、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
参照:https://www.bell24.co.jp/ja/casestudy/adobe/
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