生成AIの主なモデルとは? |
できることや活用事例も簡単に説明

 2024.05.28  2024.06.17

生成AIの技術は、ビジネスからエンターテイメント、教育まで、幅広い分野で利用されています。本記事では、主要な生成AIモデルの概要と、どのように活用されているかを解説します。AI技術が日々進化する中で、これらのモデルがどのようにしてさまざまなタスクを効率よく、かつ創造的に解決できるのかを検討していきましょう。

生成AIの主なモデルとは? | できることや活用事例も簡単に説明

コンタクトセンターにおける生成AIチャットボットの活用効果とは?

そもそも生成AIとは

生成AI(ジェネレーティブAI)は、指定されたプロンプトやデータをもとに、新しいコンテンツを作り出す技術です。テキストや画像にとどまらず、音声や動画の生成にも活用されています。

生成AIは、学習したデータの特徴を理解し、それをもとに新たなパターンや組み合わせでコンテンツを生み出します。この革新的な技術により、ビジネスやクリエイティブ産業などのさまざまな分野でAI活用が広がってきました。

従来のAI技術がデータセットから特定のパターンや回答を識別、選択することに焦点を当てていたのに対して、生成AIはデータの特徴を組み合わせたり、変化させたりすることで新規のコンテンツを生み出します。

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生成AIの主なモデル

生成AIには複数のモデルが存在し、それぞれに特徴があります。主なモデルについて紹介します。

VAE(Variational Auto-Encoder)

VAEは「変分オートエンコーダー」とも呼ばれる、元のデータから重要な情報を抜き出し、それを使って新しい画像やデータを作るAIモデルです。イラストの制作や医療画像の修正などに使われており、さまざまな分野でその応用が見られます。単に画像を作るだけでなく、人間の顔認証に活用したり、データのパターンを学び取るのに使われたりもします。

GAN(Generative Adversarial Network)

GANは、生成器(Generator)と識別器(Discriminator)と呼ばれる2つのネットワークを用いています。生成器がランダムに新しいデータを作り出し、識別器がそのデータを本物か偽物か判断します。作成と判断の競争を繰り返すことで、生成されるデータがより現実的になるように改善される仕組みです。ファッション業界での新しいデザインの提案や、ゲーム開発でのリアルな環境生成などに役立てられています。

拡散モデル(Diffusion Model)

拡散モデルは、元の画像にランダムなノイズを加えたあと、そのノイズを段階的に取り除くことで、新しい画像を作り出します。このプロセスを繰り返すことで、モデルは徐々に画像の重要な部分を認識し、高品質な画像を生成することが可能です。特に、アートの生成や写真の高解像度化などに利用されています。

GPT-3(Generative Pre-trained Transformer3)

GPT-3は、OpenAI社によって開発された、言語を理解し生成することに特化したAIモデルです。このモデルは、大量のテキストデータを分析して、与えられたテキストの続きを予測し、自然で流れるようなテキストを作り出します。具体的には、入力されたフレーズに基づいて、文脈に合った次の文を生成するために、確率的に最も可能性の高い単語やフレーズを選びます。これにより、文章生成、会話の自動化、コードの生成など、テキストベースのタスクで高いパフォーマンスを発揮できるようになりました。

GPT-3は現在、顧客サービスの自動化やコンテンツ生成などに役立てられ始めています。GPT-3の登場により、その高度な生成能力が一般の人々にも広く認知されるようになりました。

GPT-4(Generative Pre-trained Transformer4)

GPT-4は、GPT-3の進化形です。さらに多くのデータと改善されたアルゴリズムにより、より自然で質の高いテキスト生成が可能になりました。学習能力と適応性が向上し、さらに複雑な言語タスクを効率よくこなすことが可能です。教育や研究、ビジネスにおける文書作成の効率化など、その活用範囲は広がり続けています。

ビジネスにおける生成AIの活用事例

ビジネス分野では、生成AIがさまざまなプロセスの効率化やイノベーション推進に貢献しています。具体的な活用例を紹介します。

医薬品開発での化合物の組み合わせ試行

医薬品業界では、新薬開発の過程で何千、何万という化合物の組み合わせをテストしなくてはなりません。生成AIは、これらの化合物の効果や安全性を予測し、最も有望な候補を選び出すのに用いられています。

たとえば、AIは既存の薬のデータをもとに、新しい化合物の組み合わせが病気にどう作用するかをシミュレーションします。このアプローチにより、実験の回数を減らしつつ、開発サイクルを大きく短縮することが可能になりました。また、6億~10億円ものコストを削減した例もあります。

自動車開発でのデザイン練りと自動運転技術の開発

自動車産業では、生成AIがデザインの創出や改良、さらには自動運転技術の開発に役立てられています。AIを利用することで、数多くのデザイン案を迅速に生成し、さらにそれらの評価・改善が可能です。また、AIを使って、車のデザインイメージから空気抵抗を算出し、デザイン性と機能性を両立させる取り組みも行われています。

完全自動運転に向けた技術開発においては、生成AIが複雑な交通状況をシミュレートし、無数のシナリオを通じてシステムの反応を学習させるのに重要な役割を果たしています。たとえば、道路にボールが転がり出たとき、人間のドライバーは「子供が飛び出すかもしれない」と予測してブレーキをかけます。生成AIは、このような状況で何が起こりうるかを理解し、適切な行動を選択するのに有用です。

プログラミングコードの自動生成

IT業界では、プログラミングコードの自動生成に生成AIが活用されています。この技術を活用することで、ソフトウェア開発の初期段階でのプロトタイピングや、コーディング作業の効率化が可能です。

たとえば、開発者が「顧客データベースからすべての顧客リストを取得する」といった指示をAIに与えると、AIはこれを解釈し、即座に動作するコードを生成します。さらに、記述したコードがうまく動かない場合には、「このコードのどこが間違っているか教えて」と聞くだけで間違っている部分を指摘してくれるので、デバッグの際にも非常に便利です。

生成AIを活用することで実現する「業務の効率化」

生成AIの導入は、ビジネスにおける生産性の向上や研究開発の加速に大きく寄与しています。この技術の活用により、従業員は単純作業の時間を削減し、より価値の高い業務に集中することが可能です。

また、日々の繰り返し作業やデータ処理などのルーチンワークを自動化することで、より戦略的で創造的な仕事に専念できるようになります。たとえば、社内文書や報告書の作成、メールの返信などといった業務は、AIを活用することで作業負担が大きく軽減され、生産性が向上します。

さらに、科学技術や医薬品開発などの分野では、生成AIが膨大なデータから新しい知見を導き出し、研究の進行を大幅にスピードアップさせます。AIが仮説の設定や実験のシミュレーションを行うことで、研究者はより効率的に結果を得られるようになり、迅速なイノベーションが起こると期待できます。

まとめ

生成AIには、さまざまなモデルがあります。適切なAIをビジネスに活用することで、業務の自動化や効率化が進み、企業の競争力強化につながります。

生成AIでテキストを生成する技術は、カスタマーサポートチャットボットなど、直接的な顧客対応の効率化にも活かせます。AIチャットボットは、ユーザーの入力情報を文脈も含めて理解できるので、高度で適切な情報提供が可能です。また、過去の対話履歴や好みなどを考慮して、顧客にパーソナライズした人間らしい応対ができます。こうしたAIチャットボットを用いることで、オペレーターの業務負担を軽減しつつ、応答時間を短縮させ、顧客体験を向上させられます。

将来的には、生成AIがさらに進化し、ビジネスのみならず社会全体のさまざまな課題解決に貢献することが期待されています。この技術を活用した未来は、より効率的で、創造的なものになるでしょう。

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