AI-OCRを活用したコンタクトセンター業務の生産性向上
2023.07.10 2024.08.19 古賀 祥晟 氏
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2023.07.10 2024.08.19 古賀 祥晟 氏
コンタクトセンター運営では、人材確保、顧客満足度、コスト削減など複数の問題に直面します。
そんなときに現状の運用を低コストで行いつつ、今後のスケールアップにも対応できるような仕組みづくりができると理想的だと思いませんか?
この記事ではコンタクトセンターでよくある課題とAI-OCRを活用した解決手法を解説していきます。
この記事を読むと
こんな人におすすめ
企業では売上を向上させるため、日々の業務を効率化させるために様々な課題に直面します。
弊社でコンタクトセンターを運営している企業にヒアリングを行なったところ、以下の4つの課題があることがわかりました。
コンタクトセンター業務では大量のオペレーターを必要としますが、人材の採用・教育・維持には大きなコストがかかります。また近年では生産年齢人口も減少しており、人材の確保も難しくなっています。加えて高品質なサービスを提供できる優秀な人材を確保することはなお一層難しくなっています。
顧客の問い合わせや注文に対応するコンタクトセンターは、企業と顧客との重要な接点です。したがってオペレーターが提供するサービスの質は直接的に顧客満足度に影響を及ぼします。結果的に顧客対応が企業の評価を左右することも考えられます。
顧客が利用するコミュニケーションチャネルは多様化しており、電話、メール、チャット、FAXなど多く存在します。
このような複数のチャネルに対応する柔軟性も求められます。
案件規模が大きくなるとそれに応じて、対応する業務量も増えるのが一般的です。
人員やシステム整備が十分ではない場合案件規模が大きくなった際に対応遅延など不都合が起きる可能性があります。
ここまで前提となる課題について述べてきました。
いくつか思い当たるものが合ったのではないでしょうか?
次のパートではこれらの課題解決策としてAI-OCRを紹介していきます。
AI-OCRは、AI(人工知能)を利用したOCR(Optical Character Recognition)のことを指し、紙や画像などに記載された文字をスキャンしてデジタルデータに変換する技術です。
AI-OCRは、機械学習や深層学習といったAIの技術を応用し、従来のOCRよりも高度な文字認識能力を持ちます。たとえば、手書き文字の認識、FAXなどでかすれた文字の認識、複雑なレイアウトや背景を持つ文書からの文字認識などを可能にしています。
また、AI-OCRは学習を通じて読取精度を向上させることが可能です。
これにより運用を続けるほど事務処理の自動化や効率が高まり、業務プロセスの改善に貢献します。
次にAI-OCRがもたらすメリットについて解説します。
AI-OCRを使用すると手動でのデータ入力や文書の分類など、時間と人手を要する作業を自動化することが可能になります。これにより人件費や作業にかかる時間やコストを大幅に削減することが可能です。
AI-OCRは高速で文字データを読み取り、CSVファイルなどに変換することができます。これにより、例えば顧客からの注文などの処理時間が大幅に短縮され、迅速な対応が可能になります。また、AI-OCRはシステムと連携して自動的にデータを処理するため、迅速な情報共有や分析が可能になり、結果的に顧客満足度の向上に繋がります。
AI-OCRは一定の精度で文字を認識し、適切なデータ形式に変換します。従来1から行っていた処理業務が確認だけで完了するため、人間によるデータ入力ミスや誤読、誤分類などのヒューマンエラーを大幅に軽減することができます。
AI-OCRによる自動化はルーティン業務を削減し、付加価値の高い業務に集中することができるようになります。そのためビジネスの生産性と効率性の向上につながります。また、案件規模拡大に比例して発生するルーティン業務にもスムーズに対応することができます。
背景
ハガキやFAXなどで届く注文書の処理を手入力で行っていたが、キャンペーン時などの繁忙期には手が回らず受注処理業務の効率化を検討。
アウトソースも検討したが納期が早くなることはなく、社内でどのように対処するかを検討した結果AI-OCRを導入
適用業務
問題点
課題
導入後の効果
背景
店舗で記入してもらう会員登録用紙の登録業務を手入力で実施していた。
店舗数拡大により登録業務の負担が増えたため、改善が必要に。
店頭での登録の際にタブレットやスマホでの入力も試験的に行ったが、お客様の負担になるため不採用。お客様の登録に負担をかけずに社内業務を効率化する方法を検討した結果、AI-OCRを導入
適用業務
問題点
課題
導入後の効果
ここからはAI-OCRを導入するときに確認すべきポイントを3つに絞りお伝えします。
本当に利用可能なツールなのか事例や実績を確認するのは重要です。業界やビジネスモデルに応じた導入例があるか、またその結果はどうだったかを確認してください。成功事例や失敗事例から学ぶことができます。
AI-OCRツールは単体で機能するだけでなく、他のシステムと連携して効率的に機能することが重要です。CRMシステム、ERPシステム、データベースなど、既存のシステムとの連携がスムーズに行えるかも重要な観点になってきます。
ツールを利用するのはシステムを熟知している人だけではありません。
現場で業務を行うスタッフが容易に操作を習得できるようなツールが好ましく、そうすることで教育や運用開始までに費やす時間を大幅に短縮可能です。
またツールの操作性がいいことでスタッフもストレスなく業務を遂行できます。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
コンタクトセンターが直面する様々な業務課題に対して、AI-OCRの有用性をお伝えしました。
本記事で自社が抱えている課題の解決策としてのAI-OCRをご検討いただけると幸いです。
今回は広義に「コンタクトセンター」が抱える課題についてお伝えしましたが、抱える課題は各社ごとに異なります。
詳細な事例やサービス紹介についてはこちらからお気軽にお問い合わせください。
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