近年クラウドPBXが注目され、従来型から切り替える企業も増えています。クラウドPBXは豊富な機能以外にも、従来型と比べてコストを抑えられ、導入しやすいのが大きなメリットです。
本記事では、クラウドPBXの導入で無料化できる項目や、無料利用する際の限界について解説します。これから導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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クラウドPBXは無料で試せる
クラウドPBXを提供するには高度な技術力や設備が求められるため、完全に無料で利用できるサービスはありません。ただし、機能や利用期間が限定されるものの、無料トライアルが可能なサービスも存在します。
基本的にクラウドPBXの利用には、初期費用と月額料金が必要ですが、初期費用については無料で導入できるケースもあります。コストを抑えて導入したい場合は、初期費用が無料のサービスを選択しましょう。月額料金は毎月ベンダーへ支払う料金で、基本料金やアカウント料金、通話料金などが該当します。
クラウドPBXの利用には料金がかかるものの、従来型のレガシーPBXに必要であった料金のうち不要になる項目もあります。たとえば、複数の電話機で内外線を共有するための主装置や配線工事が不要になるほか、端末の本体代金、内線通話料金なども必要ありません。そのため、従来型に比べれば、低コストでPBXを導入できます。
クラウドPBXで無料にできる3つの初期費用
レガシーPBXの代わりに、クラウドPBXを導入すると、初期費用として以下の3つを削減できます。初期費用が安くなれば、導入のハードルは一気に下がるはずです。
1. PBX本体(主装置)の費用
クラウドPBXは、インターネット回線を使って複数の電話機で内外線を共有するため、主装置本体の費用がかからず、初期費用を大幅に削減できます。そのため、起業準備中の方や事業を立ち上げたばかりでなるべく費用を抑えたい方には、低コストで導入できるクラウドPBXがおすすめです。
レガシーPBXでは、オフィスに設置した主装置を利用して外線や内線をつなぎます。主装置は高額な製品であり、数百万円、数千万円単位になることも珍しくありません。複数の拠点へ設置する場合は、さらに高額のコストが発生します。
2. 配線工事の費用
クラウドPBXは、物理的な主装置を設置する必要がなく、オフィスの電話機と主装置を接続する配線工事も不要です。そのため、クラウドPBXでは配線工事のコストも削減できます。物理的な配線が不要なため、オフィス内がスッキリと見えることもメリットです。
レガシーPBXの場合、主装置と電話機の接続工事が必要になります。オフィスの面積や利用する電話機の台数などによって配線工事費用も大きく異なり、壁や床に配線を這わせなければならないことから、オフィスの美観を損ねるおそれもあります。
3. ビジネスフォンなどの端末の費用
クラウドPBXであれば、わざわざ端末を購入する必要がありません。従業員が所有しているスマートフォンやタブレット、PCなどとの接続が可能であるためです。新たに端末を購入する必要がなくなり、大幅にコストを削減できます。
一方、レガシーPBXでは端末の購入が必須です。しかも、利用する数だけ購入しなくてはならないため、場合によっては数十万円のコストが発生するケースもあります。
クラウドPBXで無料にできる2つのランニングコスト
クラウドPBXは、以下で紹介する2つのランニングコストを無料にできます。ぜひレガシーPBXとの違いを確認してみてください。
1. 転送時の通話料
クラウドPBXでは、会社にかかってきた電話を従業員個人のスマートフォンで直接受けられます。つまり、固定電話への着電を従業員へ転送する必要がありません。オフィスを空けていても、従業員のスマートフォンをオフィスの電話として利用できるため、機会損失も回避できます。
レガシーPBXでは電話の転送が頻繁に行われたり、通話時間が長くなったりすると、通話料金が高額になるおそれがあります。転送の場合は、転送電話を受電した側が支払うことにも注意が必要です。
2. 内線の通話料
クラウドPBXの導入によって、内線通話料金を削減できます。クラウドPBXであれば、複数の拠点を内線で接続でき、なおかつ無料で利用できます。そのため、国内外にいくつもの拠点を展開しているような企業にこそ、クラウドPBXの導入はおすすめです。
また、クラウドPBXなら従業員がプライベート利用しているスマートフォンとも内線で接続できます。そのため、外出中の担当者と内線でやり取りすることも可能です。
一方、レガシーPBXの場合、無料での内線通話はあくまで同一拠点での利用に限られます。つまり、複数拠点を内線で接続することはできません。
クラウドPBXの導入・運用で必要な費用
クラウドPBXは、端末を導入する費用や転送時の通話料がかからない一方、導入・運用時に必要となるコストが存在します。企業規模に応じて変動するものもあるため、覚えておきましょう。
クラウドPBXの設定費用
クラウドPBXを導入する際には、インターネット回線取得やサーバー登録などを行うための設定費用が必要です。
少人数での利用の場合、設定費用は0円のものもあれば、5万円ほどかかるものもあります。大規模なコールセンターなどに導入する場合は、さらに多額の費用がかかります。クラウドPBXは比較的低コストで導入・運用できるのが魅力ですが、ユーザー数が多くなるほど設定費用が高額になる点には注意しましょう。
月額利用料金
導入時にかかる初期費用のほか、運用コストも必要です。具体的には、毎月かかる利用料金や、オプションサービスを選択している場合にかかる費用が挙げられます。これらの料金の仕組みは、ベンダーによってまちまちです。
クラウドPBXのよくある失敗例として、基本料金が安いからといって、安易に契約してしまうことが挙げられます。サービスによっては、必要な回線数(ユーザー数)に応じて、月額利用料金が上乗せされることもあります。契約する際には、あらかじめトータルでいくらかかるのかを必ず確認したうえで決めるようにしましょう。
通話料金
クラウドPBXは、通常の固定電話とは異なり、従業員間の内線電話などに料金はかかりません。社外からかかってきた電話を別の従業員へ転送する際にも、転送料がかからないのは大きな魅力です。
ただし、外線電話をかける場合には通話料金がかかるため注意が必要です。一般的な相場として、固定電話への発信が1分あたり7円ほど、携帯電話への発信が1分あたり15円ほどかかるとされています。国際電話になると1分あたり数百円になることもありえるため、注意する必要があります。
まとめ
クラウドPBXの無料トライアル利用では、機能や期間に制限が設けられていることが多く、制限なく利用するには基本的に有償サービスの導入が必要です。
ただ、これまでのレガシーPBXでかかっていた本体費用や配線工事費用、端末費用などを削減できるのは大きなメリットです。また、通話料の面では、内線通話料や転送費用などがかからず、無料で使えます。
有償のクラウドPBXサービスでは十分なサポートを受けられ、スムーズに運用できるような機能も多くあります。とくにコンタクトセンターなどで導入を検討している場合は、電話やメール、チャットなど複数の問い合わせ方法に対応することも考えなくてはなりません。月額料金のほか、オプションも含めて適正かどうか確認したうえで、契約するようにしましょう。
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